初の女性騎手の誕生
JRAに初の女性騎手が誕生したのは1996年。競馬学校花の12期といわれた卒業生の中に、女性騎手が3人いたのだ。同期の福永祐一を筆頭に、JRA初の双子騎手がいた事もあり、この代はデビュー前から大きな注目を集める。
その時にいた女性騎手が田村真来、堀江純子、牧原由貴子の3人。特に牧原は愛らしいルックスで、競馬マスコミもアイドル的な扱いをしており、JRAのCMで本木雅弘、鶴田真由と共演するなど人気も高かった。
初の女性騎手の戦績
しかし、初の女性騎手たちは目立った戦績を残すことができなかった。田村は怪我のため5年で引退(通算成績は430戦9勝)。堀江はデビュー年に3勝するなど勝ち星を積み重ねたが、2001年に怪我のため引退。
そして最も注目された牧原はデビュー年に9勝、翌年は11勝を挙げるも、98年に落馬事故に巻き込まれ負傷。復帰後は苦戦が続き、中々戦績を上げることができなかった。結婚後も現役続行したが、2013年に引退した。
その後の女性騎手
翌年の97年にも女性騎手が誕生。押田純子、板倉真由子である。
それから3年後の2000年に西原玲奈がデビュー。JRA所属6人目の女性騎手だ。西原はデビュー9戦目で女性騎手最速の勝利を記録するも、2002年に落馬で負傷。復帰戦では武豊との叩き合いを制して勝利したものの、その後は騎乗機会も減っていき2010年に引退。梅田厩舎の調教助手となった。
振り返ると過去6人の女性騎手は全て結果を残せたとは言い難い。16年ぶりの女性騎手である藤田菜七子はデビュー戦で2着。CMデビューもするなど現在は注目を集めているが、これから騎乗で結果を残せなければ先は分からない。JRAもせっかくの女性騎手である藤田菜七子を安易に売り出すことなく、大きく育てる環境を作って欲しいと願う。
(篁五郎)
※イメージ画像はamazonより「週刊Gallop」 2016年3月13日号 (クラシックへ、GIへ―挽回の春 福永祐一ロングインタビュー)