昔は妖艶な女優だったソフトバンクのお母さん
女優の名前は樋口可南子。ショートヘアーがトレードマークの彼女は、現在御年・57歳。もうすぐ還暦を迎える年齢とは思えない美しさと気品を称えているのは見ての通りです。
しかし、ぜひ興味のある方は「樋口可南子 若いころ」でググってみてください。今とは全く違う、小悪魔的な白戸家お母さんが見れます。憂いを帯びた表情はどこか妖しさがあり、男を惑わすような色気がムンムンです。若き日のその妖艶さは女優業にも当然活かされており、谷崎潤一郎原作の映画『卍』ではレズビアン、山田詠美原作の映画『ベッドタイムアイズ』では大胆な濡れ場を熱演。そのお宝写真もネットで見れますので、それも探してみると良いでしょう。
そんな樋口可南子の夫は糸井重里。「おいしい生活。」 などの多彩なキャッチコピーを考案してきた、敏腕コピーライターであることはあまりにも有名。90年代に少年期を過ごした世代としては、『MOTHER2』『バス釣りNo.1』などのゲームプロデューサーとして、『ガキ使』のバス釣り企画の時にだけ見かける、何故か大物感を醸し出すオジサンとして認識している人も多いかと思います。
妻公認で樋口との交際を続けた糸井重里
樋口と糸井が籍を入れたのは、1993年。10年に及ぶ大恋愛を実らせてのゴールインでした。こう書くと聞こえはいいかもしれませんが、樋口と交際していた期間の糸井は妻子ある身。つまり2人は不倫関係にあったのです。
最初に不貞の事実が発覚したのは1982年。2人がホテルで密会しているところを報じられたのがきっかけでした。しかも当時の糸井は、1年前に結婚したばかりで、つい最近娘が生まれたばかりのという状況。現在ならば、“ゲスコピーライター”として断罪されていることでしょう。
夫の裏切りに当然、妻は激怒……かと思いきや、「不倫も仕事の一環」として夫の交際を容認し、糸井も糸井で「そういう妻だから結婚した」という旨の発言をしています。それから妻公認の交際は、以後10年にわたって継続していくのです。
糸井が惚れた、樋口可南子の感性
なお、この騒動の最中、樋口は糸井顔負けの名文句を生み出しています。不倫についてのコメントを求める報道陣の前、彼女は毅然とこう言い放ったのです。
「妻子ある人を好きになったんじゃありません。
確かに屁理屈と捉えられるかもしれません。しかし、不倫愛における不条理をサラッと言い得ていて、妙に説得力のある一言ではないでしょうか。恐らく、糸井は彼女のこうした独特の感性に惹かれたのだ考えられます。
思えば2人の出会いは、不倫報道から約1年前になされた番組上での対談からでした。当時、出演作で大胆なヌードを披露して話題となった樋口に対して「こういう姿を見られて恥ずかしくないんですか?」と糸井が質問したところ、彼女は「裸になるというのは素の自分を晒すというのとは全然別の次元のことで、女優をやってて恥ずかしいと思う瞬間はもっと別のところにある」と切り返したのです。
この時、樋口はまだ20代前半。今の有村架純や土屋太鳳らと同じ年代です。その若さでありながら、冷然とした客観視点から女優である自分を見つめている、ある種、特異とも言える思想をもった樋口に、クリエイターである糸井が強く興味を持ったのは、想像に難くありません。
結婚してから既に20年以上が経過した今でも、仲睦まじく夫婦生活を営んでいる2人。糸井が妻を持ちながら交際に踏み切ったこと、樋口がそんな糸井についていったことは、間違いではなかったのでしょう。
(こじへい)
※イメージ画像はamazonより樋口可南子の古寺散歩 (和樂ムック)