タレントの「裏の顔」や「ポロリ」に歓喜! 伝説の新春特番「平成あっぱれテレビ」

特番が目白押しの年末年始。
この時期になる思い出す特番がある。

それは、90年代に日本テレビ系で放送されていた『平成あっぱれテレビ』。
元旦の午前9時半から午後4時半まで7時間の大型生放送番組だ。
長時間の生放送とあって、ハプニングも続出。正月ならではの無礼講を拡大解釈しすぎて、明らかにやりすぎた番組だったのである。


第1回は300人もの芸能人が生放送に出演!


記念すべき第1回は1990年放送。このときは『平成あっぱれテレビ博』というタイトルだった。
300人を超える芸能人が出演するのが最大の売り。
しかも、元旦早々の生放送だ。
スケジュール調整を含め、出演者のギャラだけでも莫大な予算がかかったのではないか。バブル時代ならではの正月番組といったにおいがプンプンするスタートである。

数多くの芸能人が一堂に会する生放送番組といえば、TBS系の『オールスター感謝祭』が頭に浮かぶ。
今に続くこの番組が始まったのは、翌1991年の10月のこと。第1回は200名の芸能人が参加して、3時間弱の生放送だった。

つまり、『平成あっぱれテレビ博』の方が先駆け。スケールも圧倒的に上なのだ。
ちなみに、1989年1月7日までが昭和なので、「平成元年の元旦」は存在しない。
まさに、平成時代の幕開けを記念した超プレミアムなお祭り番組だったのである。


芸能人の「裏の顔」がのぞけた!? ハプニングだらけの生放送


1993年までの『平成あっぱれテレビ』は、逸見政孝が総合司会を担当。
フジテレビアナウンサーからフリー転身後、数多くのバラエティ番組を盛り上げた、日本を代表する名司会者だ。
番組の目玉に、出演者が生電話をかけてスタジオに仲間を呼び込む企画があった。

そのため、俳優・タレント・スポーツ選手とバラエティ豊かな顔ぶれが常に入り乱れるわけだが、それを長時間にわたって、しかも生放送で取り仕切る力量はさすがといったところか。
もっとも、管理が行き届かないゆえのハプニングも生放送ならではの魅力。
大御所がたいした出迎えもなくサラッとスタジオにいたり、まったく誰だかわからないレベルのタレントが盛大にもてなさたりと、スタッフのドタバタぶりも含めて笑いどころだった。

タレントが生電話で仲間を集める手法は、後に『24時間テレビ』でも採用されているのだが、『平成あっぱれテレビ』の方が段取りは格段にゆるめだった模様。
電話を受けた側のリアクションがリアルな戸惑いのときもあり、スタジオが変な空気になることもしばしば。必死にフォローする場合もあれば、露骨に不機嫌さを顔に出してしまうこともあり、予定調和のPR目的になっていった「テレフォンショッキング」に比べ、格段にスリリング。

パッとしないタレントの思わぬ人脈や、ジャンルを越えた意外な交友関係に驚くことも。
普段の番組ではお目にかかれない「裏の顔」が見られることは、この番組の醍醐味だったといえよう。


元旦から「ポロリ」連発の大盤振る舞い!?


テレビ電話で指定の番号にかけ、スタジオにつながった芸能人が10万円のお年玉をもらえる企画の年もあった。
一応、新年の挨拶が目的だったのだが、素人のイタズラ電話がつながってしまい、スタジオ大混乱。その流れでモニター越しに女性の裸が映ってしまったことは、もはや伝説である。
しかし、この時代にテレビ電話を持っている方は極一部のはず。

そう思うと番組側の「演出」だった気がするのだが、はたして……。

ただ、この番組での「ポロリ」率の高さは異常。
スタジオ生着替えや、水泳大会、温泉ロケなど、ありとあらゆる場面でポロリ。
今では絶対に考えられない、お正月ならではの大盤振る舞いであった。
ただ、家族の団らん中に遭遇した場合は対応に困ったもの。
素直に喜ぶにわけはいかず……かといって、チャンネルを変えるのも不自然な話。
思春期の少年を大いに悩ませたものである。

スキー場の一般客にクジを引かせて当たりが出たら10万円、ハズレの場合は罰ゲームなんて企画もあった。
その罰ゲームは、番組が用意したビキニを着てスキーをするというもの。しかも、水着の露出は激しめだ。
水着でスキーというありえないシチュエーションがそそる……いや、非常にけしからん企画であった。
今思えば、いわゆる「芸能人水泳大会」よろしく、「脱ぎ要因」たちによる演出だったはずだが、なかには「ガチ」もあったのかも!?

ネットもなく、独身だった90年代。年末年始特番の特別感、お祭り感は今とは比べものにならないほどだった。
この時期だけはテレビ雑誌を買い込んでめぼしい番組をあらかじめチェック。録画用にビデオテープを買い込んだものである。
『平成あっぱれテレビ』は録画するほどではないが、必ず押さえておきたい番組のひとつだった。
しかし、今振り返ると、そのお宝度はピカイチ。
2時間テープを3倍速にしても録画しきれない7時間の大ボリュームではあったが、録画しなかったことが非常に悔やまれるのである。
(バーグマン田形)