アニメ序盤では心優しい反面、ネガティブ思考で空気も読めない少年だった。
自宅が燃えてからは、他人に対して毒舌や皮肉を吐くようになる。その一方でなんだかんだで他人のいいところも見ており、サラッと褒めて相手を喜ばせることもある。
そんな永沢の中学時代を描いたイッキコミックスの『永沢君』。主な登場人物は永沢、藤木、小杉の3人。まるこやたまちゃんは出てこない(まる子のみ回想シーンで登場)。
イケメンに憧れ、鏡の前で笑顔の練習をしてみたり、不良に憧れ、パーマをかけてみたり。これが永沢の思春期である。
話の間のページには、永沢の下敷きの作り方や視力も明らかにされており、作者への一問一答の特集も組まれている(『永沢君』で心温まる話は? 永沢くんについてどう思うか? など)。

藤木曰く、「人の物を盗んだりしないところ」が永沢くんのいいところ
卑怯は役に立つ、卑怯者はスパイになれる、愚鈍になるくらいなら死ぬまで卑怯に生きる、などという卑怯哲学を披露した藤木は「ラジオ君こんばんは」というラジオ番組でネタハガキを4回も読まれるようになる。ペンネームはキジフ・ゲルーシ。
キジフめ……
今度は、オレが読まれる番さ……
キジフの快進撃を阻止するため、一人の男が静かに闘志を燃やしていた。
「プールの水をうんこにしたら、プールの中でうんこしてもわかんなくていいだろ?」
一方のキジフは自らのネタをクラスメイトに披露して、聞き手の感触を確かめていた。
しかし、二人の勝敗はつかず。キンタマネギ男はハガキの宛先を間違えてしまった。戻ってきたハガキを母親に見られ「さんざん育てて、キンタマネギ男かい……」と泣かれてしまう。結局、番組ではキジフのネタが読まれていた。もし、キンタマネギ男が宛先を間違えていなかったら……。
人の上に立つ男・永沢
藤木は商業高校へ、永沢は自分の実力よりかなり下の高校へ進学することになる。卒業式では同じ高校に行くクラスメイトに対して「みんな、これからもこのボクをよろしくな」とあいさつ。
永沢の洞察力は人の上に立ってこそ活かされる。経営者向きだ。そんな永沢くんに「お誕生日おめでとう」と言いたい。
(山川悠)
こっちでも別エピソードで永沢君の誕生日を祝ってみた(どんだけ祝うのか)