リカちゃんといえば、玩具メーカーの王手であるタカラ(現在のタカラトミー)が誇るロングセラー商品だ。1967年の発売開始以来、現在まで4代続いており、初代の値打ちは15万円とも20万円ともいわれている。
今もなお、数多くのファンを魅了するリカちゃんだが、かつては危機に直面したこともあった。

リカちゃんの敗因はストーリー性と関係していた?


人形玩具というジャンルにおいて、リカちゃんの売上は発売開始から不動の首位をキープしていた。ところが、1993年にセーラームーン(バンダイ)が登場すると、その座をあっさりと明け渡してしまうのだった。

では、歴史も売上実績もあったリカちゃんが、なぜ新参者のセーラームーンに首位の座を奪われたのだろうか? そこには、両者の決定的な差といえる、「ストーリー性の有無」が関係していた。
元々、漫画のキャラクターを商品化させたセーラームーンには、単に人形として遊べるだけでなく、物語も楽しめるというメリットがある。一方のリカちゃんは、着せ替えができても物語を楽しむことはできなかった。

リカちゃん、再び首位に返り咲く


しかし、セーラームーンに首位の座を明け渡したことが転機となり、リカちゃんにもストーリー性がくわえられていくこととなった。

「リカちゃんは小学5年生」「リカちゃんの双子の妹」「しらかば台に住んでいたが、ハートヒルズに引っ越し」など、かなり現実味を帯びた、具体的なストーリー性が追加されていくのだった。
そうした努力もあり、1996年にリカちゃんは、再び売上で首位に返り咲いたのである。

ちなみに、当時の玩具全体での売上はセーラームーンを取り扱っていたバンダイが頭一つ抜けた存在だった。それだけに、タカラとしてみれば、是が非でもリカちゃんの人気だけは死守したかったのだろう。
(ぶざりあんがんこ)

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