最近では、AKBを中心にヒットチャートをアイドルが独占するなど、アイドル全盛の時代が続いている。だが、90年代はアイドル冬の時代であった。

しかしそんな90年代に活動していたアイドルの中に、現在でも第一線で活躍する女優を複数輩出した伝説のグループがあった。それが「桜っ子クラブさくら組」である。

中谷美紀と菅野美穂が在籍した桜っ子クラブさくら組


桜っ子クラブさくら組は1991年4月から1994年10月まで放送されたバラエティ番組『桜っ子クラブ』のオーディションで選抜された。80年代に一世を風靡したおニャン子クラブの二番煎じ的な扱いだったが、在籍していたメンバーを今振り返るとかなり豪華だ。

まずは中谷美紀。『ケイゾク』などの人気ドラマで主演を務めた経験を持つ人気女優であり、最近では『私 結婚できないんじゃなくて、しないんです』でも話題になっていた。そしてお次は菅野美穂。
こちらも多くの作品で主演を務め、現在では堺雅人の妻としても知られている。
他にもグラビアで一世風靡した井上晴美や現在広島カープの緒方監督の妻である緒方かな子なども所属しており、多種多様な人材がそろっていたのだ。

桜っ子クラブさくら組の活動


桜っ子クラブさくら組は歌を歌ったり、それぞれのアイドル雑誌にグラビアとして登場したりといわゆるアイドルの王道的な道を歩んでいた。
しかし肝心の曲はあまりヒットせず、1992年に発売されたデビューシングル「なにがなんでも」は『桜っ子クラブ』のタイアップ、セカンドシングル「DOーして」は『クレヨンしんちゃん』のタイアップがそれぞれついたが、ぱっとしない売上……。
ちなみに、SMAPの元メンバー森くんの「ハイキック事件」はこの『桜っ子クラブ』の企画内で起きたものだ。

メンバーの一員だった中谷美紀や菅野美穂は、当初はアイドルとして活躍していたが、桜っ子クラブさくら組がブレイクしなかったからか、次第に単体での女優業やCM出演などに活動をシフト。
結果的にそれがブレイクにつながることになる。

アイドル冬の時代ともろに活動期間が重なってしまったこともあり、アイドルグループとしてはブレイクできなかった桜っ子クラブさくら組。しかし所属していたメンバーのその後を見てみると、どのアイドルグループにも劣らない活躍を見せている。そう考えると、メンバーを選んだ相当なものだったといえるだろう。
(篁五郎)

※イメージ画像はamazonよりなにがなんでも Single