上沼恵美子といえば、関西を代表する大物女性司会者として有名。
かつての上沼のように、いつの時代もルックスが良い女性芸人というのは存在するもの。最近でいうと、鳥居みゆきやおかもとまり、稲垣早希などが有名どころとなるのでしょうか。
最も、実力が伴っているかどうかは別の話。「芸人でありながら美人」というギャップだけで、一時的に世間を振り向かせることはできます。しかしトーク番組やバラエティにゲストで呼ばれた際、結果を残せなければ、あっという間に飽きられていくのは自明の理です。カワイイだけで売れ続けられるほど、甘い業界ではないのです。
そんな消えていった美人女芸人たちの中に、パイレーツというコンビがいたのを覚えているでしょうか?「だっちゅーの」という、胸を寄せて谷間を強調する、ギャグともお色気ともつかないパフォーマンスで、一世を風靡したグラビアアイドルとお笑い芸人の折衷型タレントの2人組です。
爆笑問題にネプチューン…実力者揃いの『ボキャ天』に出演していたパイレーツ
浅田好未と西本はるかからなるパイレーツが、事務所の意向によって結成させられたのは1997年。デビュー当初はイベントアイドルとして、学園祭まわりをしていました。翌年には「グラビア界からお笑い界へ殴りこみ!」というキャッチフレーズで、フジテレビ系のお笑い番組『ボキャブラ天国』に出演。これが、彼女たちの転機となります。
当時の『ボキャ天』は、初期の視聴者投稿型から、コント主体型へと移行した時期。
お笑いという男社会だからこそ光って見えた、2人の可愛さ
そんな群雄割拠の中、パイレーツの2人はというと、面白くないのはもちろん、コントの下地として必要な演技力すら全くないお遊戯レベルの演目を披露。当然、番組中の成績は芳しいものではなく、審査員では大島渚と鈴木史朗だけしか、彼女たちを評価していませんでした。
しかし、カワイイは正義。番組内の紅一点でルックスも良く、しかも豊満な乳。お笑いという男社会の中で自らの価値を相対化した彼女たちは、瞬く間に売れっ子となります。仮にもし、グラビアアイドルのみで活動していたら、彼女たちの個性は埋没し、間違いなく売れていなかったでしょう。
看板番組までできるも、2001年に解散
『ボキャ天』でのブレイク以降、パイレーツは様々なバラエティ番組にゲストで呼ばれ、CMにも出演、ついには『だっちゅーに!』という名古屋ローカルの看板番組まで出来るという、デビュー1年足らずにして凄まじい勢いの成り上がりっぷりを披露しました。そして、98年の暮れには「ハマの大魔神」と並んで「だっちゅーの」は流行語大賞を受賞するまでに至ったのです。
しかしその時点をピークとして徐々に人気が衰退していき、2001年に解散。現在、浅田は事業家として、西本はセクシー系の女優として別々の道を歩んでいます。
面白さはなくとも、可愛さとキャッチーなフレーズ1つで一瞬お笑い界の天下を取った……。
(こじへい)
※イメージ画像はamazonより西本はるか写真集「SHAPE」 (FRIDAYピース(写真集))