漫画家・蛭子能収というと、どんな姿を思い浮かべるだろうか?
テレビ東京系『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』での、自由奔放すぎるコミカルな姿? 「葬式で笑い出す」「孫に興味がないので名前を覚えていない」などの、人としてどうかと思う姿?
筆者としては、ギャンブル狂いの一面も見逃せないのである。

蛭子さんは、自身の著書でも「自分の稼ぎがいくら少なくなったとしても、ギャンブルをやめることはないと断言できます」ときっぱり言い切るほどのギャンブル大好き人間。
競艇・パチンコ・麻雀・カジノと、幅広い守備範囲を誇る根っからのギャンブラーだ。
そんな蛭子さんが「やらかしてしまった事件」をご記憶だろうか? 1998年、賭け麻雀で逮捕されてしまったあの事件である。

逮捕された蛭子能収、取り調べは食事抜きで10時間!


事件があったのは98年の11月20日。蛭子さん行きつけの新宿のフリー雀荘での出来事だ。
その日の蛭子さんは絶好調! 勝ちを重ね、1,000点200円のレートで9,000円の勝ちを収めていた。しかし、今日はツイてると実感しているところに「ガラの悪い人たち」がゾロゾロと入ってきた。「そのまま動くな!」と、店内に怒声が響き渡る。

パンチパーマやスキンヘッドの方は入店お断りという、サラリーマン客中心の店だっただけに、蛭子さんはヤクザの襲撃かと、かなり慌てふためいたという。

しかし、その強面の男たちの正体は刑事たち。いわゆる「ガサ入れ」で乗り込んできたのだ。結局、蛭子さんを含めその場にいた14人の客と従業員7人は全員逮捕。容疑は単純賭博罪。取り調べは食事抜きで10時間にも及んだそうだ。

捜査員に「趣味は?」と聞かれた蛭子さん。「麻雀です」と即答し、苦笑いされたという。さすが蛭子さんとしか言い様がないエピソードだ。

ホントに反省してる? 蛭子能収の発言


この時点では警察は蛭子さんの逮捕を公表しておらず、一緒に逮捕された人々にも口止めをしていたそうだ。しかし、どこからか情報は漏れ伝わり、およそ10日後の12月2日には大々的に報道され大騒動となってしまった。
蛭子さんは同日には記者会見を開き、当面の謹慎とテレビ出演の自粛を宣言。しばらく麻雀はしないと反省の弁も述べたが、「前科が付くことを知って驚きましたけど、日本人の10人に1人は前科者と聞いて、なんだかホッとしました」と、うっかり発言。
しかも、事件から2ヶ月足らずで月刊麻雀誌に「麻雀賭博の合法化」を提案しているのだから、とても反省しているようには見えないのであった……。

年収は1億に迫る勢い!? 今以上にブレイクしていた蛭子能収


実はこの頃の蛭子さんはバラエティ、CM、ドラマに引っ張りだこで、年収1億近くを稼ぐ、今以上の超売れっ子。総工費1億円ともいわれる大豪邸を建て、我が世の春を謳歌していた矢先での逮捕だった。
20本を超えるテレビ出演がキャンセルになるなど、謹慎による減収によって頭を抱えたというが、「好事魔多し」を絵に描いたような悲劇である。まぁ、自業自得なのだが。

昨年末の『女性自身』の人生相談でも、「賭け麻雀は人に危害を加えていないし、そもそも金を賭けないで楽しいという人はいませんよ。
そんな現状を警察はわかっていて、ときどき見せしめのように捜査する。それでは逮捕される人はバカバカしいと思うんですよ」と持論を展開している蛭子さん。
2度目の逮捕がないことを願うばかりである。
(バーグマン田形)

※イメージ画像はamazonより芸能界 蛭子目線