「めちゃイケが元気だった頃」と「2004年の成功」を知る世代としては、何とも悲しい限り。12年前、ナイナイと中居をメインMCに据えた27時間テレビは、紛れもなく輝いていました。
高視聴率連発だった2000年代前半のめちゃイケ
2004年度の27時間テレビ……というよりも、2000年代前半のめちゃイケはノリに乗っていました。
2003年の年末に放送された『楽しくなければ年の瀬じゃない!スペシャル』が、史上2位となる視聴率25.1%、翌年10月には、『オールスター夢の激突!!8周年感謝スペシャル』が歴代最高の視聴率33.2%を記録するという好調っぷり。
企画的にも、『しりとり侍』『恋のかま騒ぎ』『クイズ$マジオネア』『抜き打ちテスト』など、後々まで語り継がれる名コーナーを次々と打ち出し、フジテレビの土曜夜8時に君臨していました。
テレ朝『SmaSTATION』とのコラボも
そんな絶頂期のめちゃイケが主導した2004年度版の「27時間テレビ」は、それはもう贅沢な内容でした。スタート直後にやっていた『笑わず嫌い王決定戦』では、とんねるずとヒロミ率いるB21スペシャルが久しぶりにコントを披露。面白いかどうかは別として、特別感を演出するのに一役買います。
夜の11時からは、当時レギュラー放送していた『すぽると!』に総合司会の3人が出演。そこでまさかのテレ朝『SmaSTATION』とのコラボが実現します。
生中継によって、香取慎吾とやり取りするナイナイと中居。この時、一体、何人の視聴者がザッピングでフジとテレ朝を行ったり来たりしたことでしょうか。同じ港区にありながら、決して交わることのなかった2つのテレビ局が1つになった瞬間。それに立ち会えただけでも、見た甲斐があるというものでしょう。
お笑い第四世代が宴を繰り広げた『真夜中の大かま騒ぎ』
こうして初っ端から高水準のコンテンツを発信していた2004年度の27時間テレビですが、沸点が最高潮に達したシーンは深夜に訪れました。
それは、毎年恒例の『さんま・中居の今夜も眠れない』の後に放送されていた『真夜中の大かま騒ぎ』の時です。ご存知、『恋のから騒ぎ』のパロディとして、オカマに扮した芸人たちが暴露大会を繰り広げるこの企画。この日は特別とばかりに、雨上がり決死隊・ドンドコドン・ガレッジセール・ココリコ・ロンドンブーツ・ネプチューンなど、お笑い第四世代と呼ばれる主要な芸人が総登場します。
深夜のテンションと、誰よりもウケたいと欲する芸人としての功名心、同世代ばかりでライバル心を刺激する環境……。それらが相まって、半狂乱のぶっちゃけ話&ネタ見せ大会が展開されます。そこにさんまと今田耕司が加わり、さらに引っ掻き回すものだからもう収拾がつきません。
どんな話をしてどんな流れで進んで行ったか、全く覚えていませんが、とにかく凄かったことだけは確かです。
グランドフィナーレには意外な人物が…
ラストでは、岡村と具志堅用高がボクシングで対決。この日のために、1年間極秘でトレーニングをしていた岡村が元世界チャンプの具志堅と4Rを戦い、引き分けで終わった試合は見る者を感動させました。
最後は、マラソン企画に挑戦していた加藤浩次がひっそりとゴールし、「あれ?いたの?」みたいな空気になり、加藤がキレて終わる予定だったのですが、時間内に会場へ到着しなかったのでそれは叶わず。
しかし、グランドフィナーレで加藤の義父「深野さん」が『あの素晴らしい愛をもう一度』を歌って〆るという、何ともバカバカしくて、めちゃイケ的で、そしてフジテレビ的な綺麗な終わり方をしていました。
こんなハプニング満載で、プレミア感に富み、そして何より、笑いに溢れた27時間テレビは、果たしてまた放送されることはあるのでしょうか……。
(こじへい)
クイック・ジャパン 113