その最初の作品となった『BIOHAZARD』は、ゾンビがはびこる閉ざされた洋館からの脱出を目的とした、それはそれは恐怖に満ち満ちたゲームだった。
難ありの操作性と固定カメラ視点が恐怖心を増幅させた
『BIOHAZARD』はプレイヤー視点で操作することができない固定カメラ視点だったこともあり、コントローラーの操作に慣れるまでは操作性が抜群に悪いという特徴があった。
ある程度進むごとに視点が切り替わる、というのが続くため、操作がワンテンポ遅れることも多い。ノロノロと追いかけてくるゾンビからうまく逃げられたと思った先で視点が切り替わることも多々あったため、そのタイミングでゾンビに追いつかれてやられるなんてことも少なくなかった。
さらに固定カメラ視点は、自分が向かうく先に何があるかわからないという恐怖心をもたせてくれた。進まないと見えない曲がり角の先になにかあるかもしれないと考えると、恐怖でキャラを操作する指が動かなくなる。曲がり角が近づくと、自然と牛歩戦術に切り替えるくらいには皆ビビっていた。
気を抜いた瞬間に奴らはビビらせてくる
かように操作は若干特殊だったが、ノロノロゾンビにいつまでもやられるわけではなく、慣れてくればたやすく倒すことができる。しかし、車の運転と同じように、慣れて「自分はもう大丈夫」と思い始めてからが危険というのは、『BIOHAZARD』も同じだった。
ゾンビがいない、長めで明るい廊下を悠々と歩いていると、その恐怖は突然やってきた。そう、腐った狂犬ケルベロスが窓を突き破って襲いかかってきよるのだ。油断していたからこそ、まさかの展開に思わず尻も浮き上がるほどビクッとする。初見では何も考えられないほどのパニック状態となることは必至だった。
できることは逃げること、ただそれだけだ。
『BIOHAZARD』にはこのほか、鱗に覆われたゴリラのような生物兵器「ハンター」、巨大な毒蛇「ヨーン」、ホオジロザメがベースの「ネプチューン」など、手強いクリーチャーが多数登場するが、それらがかすんでしまうほどに序盤の仕掛けは我々の心を恐怖で埋め尽くした。今やれって言われたら…うーん、、お断りします(笑)
(空閑叉京/HEW)