そんな中、誰よりも体を張っていたのがダチョウ倶楽部の3人だ。「ヘビ100匹がいるプールに飛び込む」「ライオンと添い寝」「地上30m綱渡り」「ジェット機のアクロバット飛行」などなど、想像するのも恐ろしい企画に次々と体当たりチャレンジ。絶妙なリアクション芸で、不動のポジションを築いていった。
そんな彼らの“特に命懸けだった企画”を紹介しよう!
ジンベエザメにくわえられ水死寸前だったリーダー肥後克広
体長7~8m、口の大きさが直径1.5mはあろうかというジンベエザメと2ショットを撮る企画に挑んだリーダー肥後。
実は、ジンベエザメは人間を襲うことがない非常に温厚な生き物。ビジュアルインパクトは抜群ながら、リスクが少ない好企画なのだ。しかし、ジンベエザメをおびき寄せるためのエサ袋が思わぬ悲劇を招くこととなる。
エサ袋を肩に巻いたリーダーが水槽に飛び込むと、ジンベエザメはエサに反応して即パクリ。巨大なサメの顔と、「助けてくれ~!」と叫ぶリーダーの顔が水槽の真正面に来て、テレビ的な構図も完璧! と、ここまでは計算通りだったのだが、サメはエサ袋をくわえたまま、そのまま下へ下へと潜っていってしまったのだ。しかも、その巨大な口でくわえたエサ袋がまったく外れない!
結局、息が続かずもがき苦しんだリーダーは、ダイバーたちが救出に入る形で、命からがらの生還となった。
疾走するトラックの下で轢死寸前だった寺門ジモン
トラックの下に潜り込み、エンジンにしがみついたまま砂漠を疾走する企画に挑んだジモン。
トラックの下に張られたロープをたどり、車体の後ろ側に回り込んでロープを離すとゴール。アクション映画さながらの大スタントである。
そもそも、トラックの下には大人が動ける空間などない。
助かるためには、背中が地面に擦れないようにゆっくりと確実に進むしかない。手を離せばどころか、バランスを崩しただけでもタイヤに引かれてしまう。
間近に迫る死の恐怖と戦いながら、見事に脱出を果たしたジモン。歓喜に沸いた現場だったが、悲劇はここから。なんと、VTRには疾走するトラックを横から捉えた姿しか映っていなかったのだ。ジモンの顔どころか姿さえもほとんど映っていない。「黒い何か」がなんとなく動いている程度である。
結局、画(え)が地味過ぎるということでオンエアされないのであった。
子供のイタズラで5階から転落死寸前だった上島竜兵
竜ちゃんが1番怖かった仕事として真っ先に挙げるのが、「団地バンジー」企画。
団地に囲まれた公園にクレーン車を置いて、団地の5階ぐらいの高さのクレーンから竜ちゃんが落ちるというもの。
恐怖と戦いながらも、どうにか飛び終えた竜ちゃんは、空中で逆さ吊りのまま、クレーン車を団地に近づけてもらうように指示を出す。なんと、見学してくれた団地の住人の方々に握手を求めに行ったのだ。しかも、アドリブで。恐るべきプロ根性である。
しかし、そこに真の恐怖が待っていた。ベランダにいた子供たちが、安全ベルトを外そうと群がったのだ。
実は、ボルトをひねるくらいで簡単に外れるのが安全ベルトの構造。一歩間違ったら5階から転落である!無邪気な子供のイタズラの方がバンジーよりも怖いことを実感する竜ちゃんであった。
キリン、シマウマ、ダチョウ、コウモリ、ガゼル、ハリネズミに、カブトムシ、アリ、クモ……。すべてダチョウ倶楽部が食べたことがある動物、昆虫である。現地の人でも“現在は食べることのない料理”も多かったという。
トカゲはあらゆる種類を食べ、ミミズは生きたまま。牛の生き血を混ぜた牛乳や、生きたヤモリが入った焼酎を飲むこともあった。ちなみに、その「ヤモリ焼酎」を飲んだ現地の人は3日後に亡くなったそうだ。無茶しすぎである。
今のテレビでは絶対不可能な企画の数々。規制? コンプライアンス? 何のこと? そんな時代の生き証人、ダチョウ倶楽部に乾杯!
(バーグマン田形)
カプセル ダチョウ倶楽部ストラップ 全8種セット