テレビで心霊特番があまり放送されなくなって久しい昨今。視聴者、もとい世の中がオカルト的なものに興味を失ったのかというと、タレントの稲川淳二曰く、そんなことはないとのこと。
怪談話の語り部としても知られ同氏。事実、彼が毎年開催するライブには、年々足を運ぶ人が増えているそうです。稲川の分析によれば、「テレビが一番の手段でなくなったに過ぎず、“心霊”への需要は変わらずある」のだとか。なるほど。確かに、テレビでは取り扱われなくなった反面、ネットの掲示板やDVDなどで心霊に関するコンテンツは度々見かけます。しかも、放送コードなどないため、かなり過激で面白いものも多数あるのです。
このように今も昔も愛される“心霊”ですが、20代後半~30代に馴染み深いのはやはりテレビでの視聴、そして、オカルト漫画の金字塔とでもいうべき『地獄先生ぬ~べ~』でしょう。
『地獄先生ぬ~べ~』は、主人公の霊能力教師・鵺野鳴介(通称:ぬ~べ~)が児童を守るために妖怪や幽霊を退治するアクションギャグ漫画。2014年には、 関ジャニ∞の丸山隆平主演で連続ドラマ化したことも、記憶に新しいところでしょう。
そんな『ぬ~べ~』においては、メインの読者である小学生のトラウマとなった怖すぎる妖怪がいくつも登場しました。ここではその中の一部を紹介していきます。
ネット掲示板の怖い話の中には「読むと悪いことが起きる」的なものが存在します。本当かどうかは別として、実害があると想像するだけでも嫌なものです。
彼女は自分の噂話をした人の夢の中に現れて、「あたしのハーモニカとってきな!」と生前大事にしていた遺品の探索を命じます。命じられた側は、ブキミちゃんの指定する難解な道筋を辿っていかなければならないのですが、間違えたら最後。問答無用で殺されるのです。
噂話を聞いたら夢に出てくる……。つまり、この漫画を読んだ自分も該当するのではないかという当事者意識と、本当に気味の悪いブキミちゃんのルックスにより、当時の子供たちを恐怖のどん底に叩き落しました。
『ぬ~べ~』の特徴的なところは、幽霊・妖怪以外の恐怖も扱っている点。中には寄生虫をメインにした回もあり、下手な心霊回よりも怖かったりします。
「A」は、妖怪とも人間とも付かない、赤いマントと仮面を被った怪人物。彼は下校途中の子供の前に現れ、こう質問します。
「赤が好き? 白が好き? それとも青が好き? 」
これ、赤なら血まみれ、白なら全身の血を抜く、青なら水に沈めるという、どれでも結局殺されるというムリゲー設定。作中では「A」が町に出現した際、子供たちをパニックにさせないように緘口令が敷かれ、大人たちがよそよそしくなるという描写がされているのですが、それが妙にリアルで、「本当に大人が黙っているだけで実在するんじゃ……」と思わせる説得力がありました。
ある朝、ぬ~べ~クラスの一人・響子は目覚めると、自分が大人になっていることに気付きます。
大人になっているのに、どうも小学5年生でいる気がしてしょうがない彼女は、その違和感を解消すべく、かつてのクラスメートと恩師のもとへ。ところが、好きだった級友・広は親友の美樹と結婚、そしてぬ~べ~は大怪我を負い廃人状態に……。
この話、響子が「妖怪・枕返し」の仕業でパラレルワールドに迷い込んでしまったという “夢オチ”なのですが、それにしても救いがなさ過ぎます。特にキツイのが、響子の楽しかった小学校時代と辛い大人時代の対比。これを読んで子供心に「大人になりたくない…」と思った人は多かったことでしょう。
こんなトラウマ回も多数あった『地獄先生ぬ~べ~』。読んだことのない方は、この機会にぜひご覧になってみてください。
(こじへい)
地獄先生ぬ~べ~NEO 6 (ジャンプコミックス)
怪談話の語り部としても知られ同氏。事実、彼が毎年開催するライブには、年々足を運ぶ人が増えているそうです。稲川の分析によれば、「テレビが一番の手段でなくなったに過ぎず、“心霊”への需要は変わらずある」のだとか。なるほど。確かに、テレビでは取り扱われなくなった反面、ネットの掲示板やDVDなどで心霊に関するコンテンツは度々見かけます。しかも、放送コードなどないため、かなり過激で面白いものも多数あるのです。
このように今も昔も愛される“心霊”ですが、20代後半~30代に馴染み深いのはやはりテレビでの視聴、そして、オカルト漫画の金字塔とでもいうべき『地獄先生ぬ~べ~』でしょう。
『地獄先生ぬ~べ~』は、主人公の霊能力教師・鵺野鳴介(通称:ぬ~べ~)が児童を守るために妖怪や幽霊を退治するアクションギャグ漫画。2014年には、 関ジャニ∞の丸山隆平主演で連続ドラマ化したことも、記憶に新しいところでしょう。
そんな『ぬ~べ~』においては、メインの読者である小学生のトラウマとなった怖すぎる妖怪がいくつも登場しました。ここではその中の一部を紹介していきます。
ブキミちゃん
ネット掲示板の怖い話の中には「読むと悪いことが起きる」的なものが存在します。本当かどうかは別として、実害があると想像するだけでも嫌なものです。
『ブキミちゃん』も、まさにその類。
彼女は自分の噂話をした人の夢の中に現れて、「あたしのハーモニカとってきな!」と生前大事にしていた遺品の探索を命じます。命じられた側は、ブキミちゃんの指定する難解な道筋を辿っていかなければならないのですが、間違えたら最後。問答無用で殺されるのです。
噂話を聞いたら夢に出てくる……。つまり、この漫画を読んだ自分も該当するのではないかという当事者意識と、本当に気味の悪いブキミちゃんのルックスにより、当時の子供たちを恐怖のどん底に叩き落しました。
A(赤マント)
『ぬ~べ~』の特徴的なところは、幽霊・妖怪以外の恐怖も扱っている点。中には寄生虫をメインにした回もあり、下手な心霊回よりも怖かったりします。
「A」は、妖怪とも人間とも付かない、赤いマントと仮面を被った怪人物。彼は下校途中の子供の前に現れ、こう質問します。
「赤が好き? 白が好き? それとも青が好き? 」
これ、赤なら血まみれ、白なら全身の血を抜く、青なら水に沈めるという、どれでも結局殺されるというムリゲー設定。作中では「A」が町に出現した際、子供たちをパニックにさせないように緘口令が敷かれ、大人たちがよそよそしくなるという描写がされているのですが、それが妙にリアルで、「本当に大人が黙っているだけで実在するんじゃ……」と思わせる説得力がありました。
枕返し
ある朝、ぬ~べ~クラスの一人・響子は目覚めると、自分が大人になっていることに気付きます。
昨日の夜まで小学5年生だった気がしたのに……。夢を見ていただけかなと思い、会社へ行き、OLとしての仕事をこなす響子。長時間パソコンと向かい合い忙殺される中で、ふと小学校時代を思い出します。あの頃は良かったなぁ……。そう思い、泣き出してしまいます。
大人になっているのに、どうも小学5年生でいる気がしてしょうがない彼女は、その違和感を解消すべく、かつてのクラスメートと恩師のもとへ。ところが、好きだった級友・広は親友の美樹と結婚、そしてぬ~べ~は大怪我を負い廃人状態に……。
この話、響子が「妖怪・枕返し」の仕業でパラレルワールドに迷い込んでしまったという “夢オチ”なのですが、それにしても救いがなさ過ぎます。特にキツイのが、響子の楽しかった小学校時代と辛い大人時代の対比。これを読んで子供心に「大人になりたくない…」と思った人は多かったことでしょう。
こんなトラウマ回も多数あった『地獄先生ぬ~べ~』。読んだことのない方は、この機会にぜひご覧になってみてください。
(こじへい)
地獄先生ぬ~べ~NEO 6 (ジャンプコミックス)
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