ドリルに自由研究、朝顔の観察などなど…迷惑なほどバラエティに富んでいた夏休みの宿題。なかでも、読書感想文に苦手意識を感じていたという人も多いことだろう。そんな読書感想文の宿題用に、マニュアルが配布された小学校があるとTwitterで話題になっている。

学校が読書感想文のマニュアルを配布!? 賛否の声があがる


今月7日、衆議院議員・堀内照文氏のTwitterアカウントに投稿されたのは、シンデレラを例にとった読書感想文のマニュアルの写真。授業で作文指導のない1年生にも夏休みの宿題として読書感想文が課されることになり、学校からこのマニュアルが配布されたようだ。



「これに従順にならえば恐ろしく画一的な感想文がいっせいに提出されることでしょう。ここに一体どんな教育的効果が?」と衆議院議員らしくこのマニュアルの有効性に疑問を呈する堀内氏。他のユーザーからも「個性を育てる気がないね」「これに沿って書いたのは自分の感想文と言えるのか?」と批判の声があがりはじめている。

しかし一方で、このマニュアル配布に賛成するユーザーも多い。「文章構成の基盤づくりではこれほどない教育だと思うのですが」「初心者はまず従順に習って基礎を覚えるのでは?」と、対象が作文の授業を受けていない1年生だけに、作文の基礎を覚えるための良い教育だと先生を称える声も多く聞かれた。

読書感想文マニュアルの効果やいかに!?


このマニュアルを読んでみると、書き出しでは小説の一部を抜き出し、自分の考えを書く。次いで本を選んだきっかけや読み始めたときの感想を書き、自分の体験を書く。最後に書き出しの部分に戻り自分がどう変わったかを書く、といった流れが説明されている。確かに文章の流れは画一的になってしまいそうなマニュアルではあるが、その内容に関しては特に指定はなく、「例え従順に習ったとしても感じたことは千差万別になると思いますが」という指摘にも納得できる。

ちょっと調べれば感想文の例文などいくらでも出てきてしまうこのご時世。夏休みの宿題代行業者もすっかり定着しており、自分の宿題をしっかり自分でやらせるというだけのことにも先生方の苦労は絶えないようだ。「私の子供の時にこれ、欲しかったです」という声もあるように、自分が子供だったら迷わず飛びつくことは間違いないだろう。



画像出典:d_pham / Study (from Flickr, CC BY 2.0)