東竜太 内閣官房長官(柄本明)
災害緊急事態の布告の宣言と自衛隊初の防衛出動の決定を大河内首相(大杉蓮)に促す東官房長官の言葉。この直後に有名な「今ここで決めるのか! 聞いてないぞ!」がある。東官房長官はこの後も総理相手に「理解を示しつつ、決断を促す」というコンボを決め続けるが、やっぱり仕事ができる人なのだろう。矢口蘭堂を内閣官房副長官に起用したのもこの人だ。
いえ、ローテで行きます。皆、入隊したときから覚悟はできています。
木更津駐屯地の自衛隊員
自衛隊の回転翼機による巨大不明生物駆除作戦が決行されることになった。前例のない危険な任務に際して「志願させるのか?」と問う上官に、「覚悟はできています」と即答する自衛隊員――。
このシーンは戦いに赴くヒロイックな戦士を描こうとしているのではなく、取材に基づいたリアルな自衛隊員の心情を描いたものだと理解している。自衛隊員は、こういうとき潔く“わたくし”を捨てられるものなのだ。参考文献として自衛隊初の特殊部隊創設に関わった伊藤祐靖の『国のために死ねるか』(文春新書)を挙げておきたい。本書では能登沖不審船事件で初めて海上警備行動が発令されたときの模様が克明に記されている。当時の海上自衛隊にとって、北朝鮮の工作船は“ミニ・ゴジラ”だった。また、伊藤は自分のことしか考えていない政治家のために自衛隊員を死地に送るのはまっぴらだとも説いている。