インテリアや家具に凝ると自宅の雰囲気が一変するので、こだわっています。なかでも自分の肌に合うのは、ちょっとした“昔テイスト”というか。
昭和の家具や家電を揃えると、なんとも言えない心地の良い空間になるんです。わかっていただけるでしょうか?


懐かしくもあり、それでいて今見ても魅力的


象印マホービン株式会社が昨年10月に開設したサイトが、話題になっています。その名は「GARARY(ガラリー)」。
昭和の魔法瓶「花柄ポット」が1周回って受け入れられている

高度経済成長期を経て、日本の暮らしが豊かになり始めた昭和42年に誕生。以来、大ブームとなり昭和の家庭には欠かせない存在になったのが「花柄ポット」でした。
昭和の魔法瓶「花柄ポット」が1周回って受け入れられている

「花柄ポット」の柄(GARA)たちは時代の空気を感じさせてくれるとともに、実は今見ても魅力的なものばかり。同サイトは、そんな懐かしくも魅力的な「花柄ポット」の柄の世界を存分に味わうことのできるギャラリーです。
……なるほど、GARAのギャラリーだから「GARARY」と呼ぶのか!
昭和の魔法瓶「花柄ポット」が1周回って受け入れられている

「『懐かしい』『この柄、自宅にもあった!』など、皆様に懐かしがっていただけているご感想を数多くいただいています」(同社・担当者)


1周回り、現代に受け入れられた「花柄」


また、「GARARY」では花柄ポットの柄をモチーフにした「壁紙」と「便箋フォーマット」を無料ダウンロードで提供しています。
昭和の魔法瓶「花柄ポット」が1周回って受け入れられている

「スマートフォンやパソコンの待ち受け画像としてご使用いただいている若い方々からは『レトロさを感じる』『1周回って新しい』など、非常に好意的な意見をいただきました」(同社・担当者)

昭和感あふれる「花柄ポット」の柄は、2016年にも有効のよう。なのに、なんで「花柄ポット」って現在は見かけないんですか?
「家電製品も含め、家庭用品全般のデザイン志向が変化したことが大きいです。モノトーンの商品も人気となり、花柄が家庭用品に採用されることは少なくなってきました。しかし、一部の家庭用品やファッションなどでまだまだ花柄は生きており、現在では弊社でも卓上ポットや保温ジャー等で花柄デザインを採用しています」(同社・担当者)

サイト内「花柄ポットの歴史」なるページを見ると、花柄ポットには多くの種類がラインナップされていたことがわかります。
昭和の魔法瓶「花柄ポット」が1周回って受け入れられている

「昨年11月から今年4月まで『まほうびん記念館』(大阪市北区)にて“花柄人気投票”を実施し、そこで1位を獲得したのは『胡蝶蘭』でした」(同社・担当者)
昭和の魔法瓶「花柄ポット」が1周回って受け入れられている

ちなみに2位は「カトレア」で、3位は「花雲」だったそう。
昭和の魔法瓶「花柄ポット」が1周回って受け入れられている

昭和の魔法瓶「花柄ポット」が1周回って受け入れられている

このランキングを見ると、現代のトレンドが掴めますね。
「2016年」と「花柄ポット」がリンクすると、上位にこの3柄が挙がってきます。
「GARARYは、実際に花柄ポットに触れた年配の方から『旅館や祖父母の家で見かけた』という比較的若い方まで、幅広い層に楽しんでいただきたいサイトです」(同社・担当者)
若い方々に改めて花柄ポットのデザイン性を問うというのは、面白い試みですな!


幅広い層に門戸を開いている「花柄ポット」


約8年前、同社は大阪に「まほうびん記念館」なる施設をオープンしました。
昭和の魔法瓶「花柄ポット」が1周回って受け入れられている

日本でまほうびんが製造され始めた大正初期から昭和初期にかけ、大阪は日本のガラス工業をリードする地域だったそうです。そのため、まほうびんの中びんを作る優秀なガラス職人も大阪に集中。結果、大阪は日本のまほうびん工業の中心地となりました。
「象印マホービン株式会社の前身・市川兄弟商会は、この頃からまほうびん製造をはじめ、現在に至るまで、大阪の地で人々の暮らしに役立つ様々な技術を開発してきました。
日本のまほうびん工業とゆかりの深い大阪に『まほうびん記念館』を設立したことは、大変意義深いことです」(同社・担当者)
昭和の魔法瓶「花柄ポット」が1周回って受け入れられている

現在では、ご年配の方から小中学校の遠足等で親しまれているという同館。サイトだけでなく記念館の方も、幅広い層に門戸を開いているようです。

そういえば以前、GARARYに関するネット上のリアクションをコネタで掘り起こしました。「オシャンティすぎ」「悪趣味の権化みたいに言われるけど、やはりかわいい」「レトロな感じがほんとツボ!」「僕の中の乙女心がスパーク」など、どうやらその反響はすこぶる上々!
やっぱり1周回り、ここにきて「花柄ポット」が時代にフィットしているのかもしれません。
(寺西ジャジューカ)