連日新たな続報がテレビ・雑誌・ネットを賑わせている現状を鑑みると、それほど、このグループは日本人にとって大きな存在だったのだと痛感せずにはいられません。
SMAPメンバーの番組をリレー方式でやる予定だった
さて、SMAPといえば、敏腕・飯島マネージャーのプロデュースにより、歌って踊れて演技もできて、そしてしゃべりもイケる、マルチタレント的アイドルのパイオニアとなったことでも有名。特にバラエティへの進出は目覚しく、これまで様々な番組にMCやレギュラーとして出演してきました。
中でも特筆すべき点が、一時期、フジテレビが金曜25:30~26:00の深夜枠を、SMAPのために空けていたということ。同局とジャニーズ、もとい飯島マネとの蜜月を象徴するエピソードなわけですが、この枠を利用して、SMAPのメンバーは半年毎のローテーション方式による持ち回り制で、ピンでのバラエティに挑戦していた時期があったのをご存知でしょうか?
宇多田ヒカルや村山富市元首相が出演した『TV's HIGH』
最初に放送されたのは、木村拓哉がMCを務めた『TV's HIGH』。この番組は、キムタク扮する主人公の住むマンションの一室に、「テレビ局開局キット」なるアイテムが届いたことで巻き起こるコメディドラマ風バラエティ。
ゲストとして中谷美紀、石田ひかり、宇多田ヒカル、果ては、元東京都知事の青島幸男、元内閣総理大臣の村山富市まで出演し、さらには放送作家として鈴木おさむ、宮藤官九郎、木村祐一が参加するという、深夜の30分番組ではあり得ない豪華すぎる陣容が話題になりました。
『TV's HIGH』の終了後、そのキムタクからバトンを渡されるカタチで、放送を開始したのが草なぎ剛メインのバラエティ『チョナン・カン』です。
『チョナン・カン』が長期化 中居の番組は放送されず仕舞いに
もともとこの枠は、半年おきの交代制となっており、草なぎの次は中居がMCの番組を放送する予定でした。しかし予想外なのか、確信犯的なのかは分かりませんが、番組が長期化し、いつまで経っても終了しません。そのため、草なぎはずっと中居から「早くどけよ!」と冗談交じりに言われていたといいます。
結局、同番組は2001年4月13日~2010年3月20日までの約10年に渡って放送された長寿番組となり、その間に「SMAP枠」は消滅したよう。結局、中居の番組は幻となり、日の目を見ることはありませんでした。
「韓流ブーム」より先に韓国に目をつけていたフジテレビ
『チョナン・カン』が長期化した背景には、おそらく韓流ブームの影響もあったのでしょう。2004年、『冬のソナタ』の大流行によって巻き起こったこの社会現象ですが、その3年も前から韓国に着目していた同番組。
この番組がきっかけで、草なぎは韓国語を完璧にマスター。その語学力を活かして、韓国のドラマやバラエティに多数出演。日本においても、チョナン・カン(草なぎ剛の韓国語の音読みに由来)名義で、つんく♂プロデュースの楽曲『愛の唄〜チョンマル サランヘヨ〜』を歌い、全編韓国語の日本映画『ホテルビーナス』に主演。さらには『チョンマルブック』なる韓国語の学習本まで出版するなど、韓流ブームにうまく便乗しながら、多方面において活躍しました。
来年1月1日、SMAPは消滅しますが、5人それぞれはソロでの活動は続けるとのことなので、またこのような優れた番組をつくりだして欲しいものです。
(こじへい)