8月31日放送の「マツコ&有吉の怒り新党」内の「新三大 読むより食べて欲しいマンガ飯」として、料理漫画に登場するさまざまな料理を紹介し、その中でミスター味っ子の「納豆モンブラン」を推した身としては行かなければならない。
なお、マツコ&有吉の両人は、納豆モンブランを「食べられる」という評価だった。
原画だけではない、体験型の展示もある
会場は銀座のCHEEPA'S GALLERY。会場内ではいたるところに今までの作品のカラー原画や、モノクロ原画などを展示している。
面白いのは、単に原画を見せているだけでなく、写真を撮って一緒に楽しむ体験型の展示があることだ。たとえば入口にあるのは、ミスター味っ子に登場する料理界の天皇こと味皇様。
ミスター味っ子の舞台「日の出食堂」や、将太の寿司の舞台「鳳寿司」を背景に、それぞれのキャラのパネルが置かれているPhotoブースもある。
ミスター味っ子や、将太の寿司の人気エピソードを再現した食品サンプルの展示が面白い。パイナップルカレーや、箸で寿司を持ち上げるシーンを、原画を見ながら楽しめる。
ファンなら毎日チェックしたい原画販売
特筆すべきは、物販コーナー。さまざまなグッズと共に、原画が販売されているのだ。
正真正銘の直筆の原画で、単行本などに使っているそのままのものが売られている。中にはトレーシングペーパーを使って指示を出しているものなど、実際に印刷に使ったということが実感できるものもある。
これが、モノクロ1枚1000円、カラー原画1枚3000円で販売されているのだ。
(原画展で展示中のものは販売対象外)
この金額で、この量の原画販売をするというのはかなり異例のことだ。寺沢大介先生に直接話を伺ったところ「本当は売りたくないという気持ちもあるけれども、もしも自分がいなくなったあとに、家族が原稿を処分する気持ちを考えると、欲しいと思ってくれる人に買って欲しいので、今回販売することにした」とのこと。
毎日2万枚全てが売られているというわけではなく、この日はこの作品の単行本何巻に掲載されていた分、という形で販売される。もちろんそれぞれのページは、世界に一つだけしかないものなので、売り切れていたらそこでおしまいだ。
Twitterの「寺沢大介原画展」アカウント(@ajikko_shota30)で、何が販売されるかは告知される。初日は、ミスター味っ子の2巻と4巻、将太の寿司の4巻と5巻に収録されている原画が販売されていた。11日は、ミスター味っ子6巻の原画が追加される。毎日のようにラインナップが変わるので、ファンなら常にチェックしたい。
あの料理が食べられるイベントも
会期中には、寺沢作品に登場した料理を実際に食べることができるイベントが開催される。
9月10日、11日は、将太の寿司に出てきた数々の寿司を再現した寿司イベント。
10月1日、2日は、エキレビでもおなじみ松浦達也による、「親子で味っ子! 実践! 肉料理」という、どうやったらお肉をおいしく調理できるのかを学ぶイベント。
10月5日、6日、7日には、ミスター味っ子に出てきた「パン包みハンバーグ」を再現した、「陽一の粒胡椒まぶしハンバーグ」。
どのイベントも、実際に調理をしたものを食べることができる他、オリジナル絵皿や、大人の肉ドリルなどがついてくる。
特に注目なのは、陽一のハンバーグイベント。ミスター味っ子に出てきた料理の、代表的な存在といえる「パン包み粒胡椒ハンバーグ」は果たして本当においしいのかどうか。気になる人は是非参加して欲しい。
また、10月7日には作者の寺沢大介と、歴代担当編集者によるトークショー(サイン色紙付き)が開催されるので、原作について深く聞きたい人は見逃せないだろう。
休憩には、1Fのカフェで味っ子のラテアートを楽しむといい。
原画展は、ビッグコミックでのチラシ掲載時には入場料無料と記載されていたが、入場料が300円(小学生未満無料)かかる。無料ではないので注意したい。
未だに料理漫画研究家をやっているというと「知っている! あの味っ子とかでしょ。『うまいぞー!』って叫んだりする」と言われるぐらい、多くの人の心に残っている『ミスター味っ子』。当時夢中になった人も、今なお夢中になって寺沢作品を読んでいる人も、多分最初で最後の原画展に、足を運んでみて欲しい。
(杉村 啓)