2017年に新シリーズ(第3シーズン)が全米で始まると発表され、ファンの心をざわつかせている「ツイン・ピークス」。

1990年に全米で放映された「ツイン・ピークス」は、映画界では奇才と呼ばれ独特の世界観で人気のあったデビッド・リンチが手掛けたドラマ。
日本では、WOWOWが開局の目玉ドラマとして91年から放映開始。熱狂的に迎えられた。

デビット・リンチを日本で有名にした異色ドラマ


これまで日本でブレイクした海外ドラマは「24 -TWENTY FOUR」「アリー my Love」「セックス・アンド・ザ・シティ」などあるが、その中でも「ツイン・ピークス」もそのひとつ。

ドラマが始まった当時、映画ファンの間では人気があったものの、デビッド・リンチの名前は一般的ではなかった。しかし、この不条理ミステリーはその世界観が受け入れられたのか、日本でも社会現象になるほどの話題になった。

正義も共感もない…病んだドラマ「ツイン・ピークス」


舞台は、ワシントン州の田舎町ツイン・ピークス。ローラ・パーマーという女性の死体がビニールに包まれて発見された。
この事件がある未解決の殺人事件と関連があるとして、FBI捜査官クーパー(カイル・マクラクラン)がツイン・ピークスにやってくる。この田舎町には秘密が多く、人々は病んでおり、誰もが容疑者のようだ。クーパーは真実に辿りつけるのか……というのが物語の概要である。

キャッチコピーは「世界でいちばん美しい死体」


このドラマが今までにない海外ドラマであるポイントは、どこにも正義や共感もなく、主人公であるクーパー捜査官でさえ病んでおり、1ミリも先が読めない展開であるということだ。

しかし、リンチの美学は全編に貫かれており、美しさの隙間から人間の醜悪さが垣間見られ、見てはいけない世界を覗き見るような喜びがある。そして時折見せるユーモアも絶妙なアクセントになっているのだ。

おそらくリンチの作品初体験だった人は、奇妙だけど癖になるやみつき感と、謎が謎を呼ぶ展開から離れられなくなったのだろう。

1992年の流行語大賞に選ばれる快挙


ドラマが話題になるにつれ、「ツイン・ピークス」の複雑な人物相関図や物語を解説する特集が雑誌で組まれた。
ブームはかなりの規模で広がり、「ツインピークス」が92年の流行語大賞の大衆後部門で受賞したほどだ。


そして、クーパー捜査官がコーヒーが大好物(ドーナツとチェリーパイも大好き)で、カフェに入ると必ずオーダーするという設定に目を付けた缶コーヒー「ジョージア」は「ツイン・ピークス」とコラボしたCMを制作。
日本の刑事が日本人観光客の失踪事件をクーパーに依頼するというCMも話題になった。

新シーズンに裕木奈江が出演


あれから25年、シーズン3で、ローラ殺人事件の謎が解明されるのか。
前作のカイル・マクラクラン、シェリリン・フェン、シェリル・リーなどの出演が決定。新しいキャストとには、裕木奈江の名も。

放映が決まったら再び「ツイン・ピークス」ブームが到来するのだろうか。
(れおなるど)

※イメージ画像はamazonよりツイン・ピークス シーズン2 Vol.1(第8話 第10話) [レンタル落ち]
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