冨樫義博の『HUNTER×HUNTER』が休載してから11週目に突入。今回は11巻発売直後に放送終了したフジテレビ系列の初代アニメ「ハンター×ハンター」(タイトルロゴがカタカナ表記)を振り返る。

「HUNTER×HUNTER」11巻発売直後に放送終了したアニメ版を振り返る
巻頭コメント、各話間の余白では、子どもが生まれたことを報告している冨樫。子どもはもう中学生くらいか…。

62ページでアニメの終了を宣言した冨樫


3月でアニメが終了します。(中略)……が
実はまだ企画が継続中! 
何らかの形で皆さんに視ていただけるよう努力中です。よろしく!


95話終了後の余白でアニメが2001年3月末をもって終了することを発表した冨樫。サインペンっぽい書体で10行にわたって今後の経緯を書いている。
11巻が発売された2001年3月。このとき、単行本もアニメも、幻影旅団編の物語が展開中だった。

復讐の息苦しさを感じさせられる鬱オープニング


主題歌が「太陽は夜も輝く」となっていた当時のアニメオープニング。前テーマソングの「おはよう。」とは180度違って、暗く重たい曲である。
クルタ族と幻影旅団、同胞を殺された相対する立場の2人の男がメインの1分間の映像。夜のシーンが流れ続ける中で、緋の眼を光らせるクラピカと、ウボォーギンの死を悼んでレクイエムを指揮するクロロが出てくる。主人公のゴンは、約1分間で2秒程度しか登場しない。

2001年3月31日。最終回となった「クラピカ×仲間×クモの最期」

「死体はフェイク」

幻影旅団の死体を見て、彼らの死に驚くクラピカのもとにヒソカがメールを打っておしまい。
この最終回のみ、単行本11巻では収録されていない部分がある。
1999年10月16日からフジテレビ系列で放送が開始された同アニメ。当時は単行本の6巻が発売された頃。週刊少年ジャンプを読まず、単行本で予習、アニメで復習という形をとっていた人にとっては、アニメ最終回のみ、未知のものとなってしまった。

リアルタイムで見ていた小学生たちは「え…、これで終わり…?」と動揺していた。ウボォーギンを倒したゴンの仲間であるクラピカ。しかし、主人公のゴンは…? これまで強敵らしい強敵を倒したことがあったっけ? と。そんな思いで、ポップで明るい雰囲気の新番組「パラッパラッパー」の予告を見届けた。
これからの展開はOVA30話で続いていく。幻影旅団編の完結、グリードアイランドクリアまで。
幻影旅団も認める善悪に頓着しない純粋な人間性、新たな師匠によってメキメキ伸びていく戦闘力、そして強敵とのバトルなど、フジテレビアニメで放送しきれなかった元祖主人公の主人公らしさが補完されていくのである。

(山川悠)

参考「HUNTER×HUNTER」11巻。クロロは戦うたびに体術が向上している
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