しかし、時代がめぐり、20年余り前のヘアスタイルが再び流行することもある。一周回ってむしろ新しい、90年代のヘアスタイルを振り返ってみよう。
PUFFYのワッフルウェーブ
90年代に一斉を風靡した歌手ユニットPUFFYといえばこの髪型のイメージ!
波状の溝がついたワッフルアイロンを使ってクセをつける波状のウェーブは「ワッフルウェーブ」と呼ばれ、ふわふわしたボリューム感あるヘアをツインテールにするなどして、カジュアルな服装に合わせるのが流行していた。バブル期の「ソバージュ」の流れを汲んでいる感もあるが、ゴージャス系ではなくアメカジ系の、もっと個性的な雰囲気だ。
レトロな印象のワッフルパーマだが、タレントやモデルとして大人気の「ぺこ」ことオクヒラテツコは、この髪型がトレードマーク。ぺこを中心とする原宿系の若い女子のワッフルパーマ率も上がってきたようだ。
大流行したアムラー
1995年頃に現れ、大流行したアムラーファッションも忘れることができない。
バーバリーなどのミニスカートに厚底ブーツがファッションのポイントだが、茶髪のロングヘアも特徴的。シャギーを入れて軽い印象にしてあり、メッシュのハイライトを入れているアムラーも多かった。細い眉、小麦色の肌に合わせるのが定番のこのスタイル。ナチュラル眉、美白人気が少しずつマンネリ化してきた昨今、アムラー風ヘアも再ブームなるか!?
「オン眉」のシノラー
また、アムラーに続く形でブームとなったシノラーは、いわゆる「オン眉」の短いパッツン前髪が特徴的。ド派手でキッズのようなファッションが社会現象になった。
原宿系のオン眉パッツンといえば、今でも昨年から人気の三戸なつめが思い出される。オン眉ではないが、ド派手なパッツンヘアならきゃりーぱみゅぱみゅのスタイルも知られるところ。そんな原宿系の定番スタイルとなったオン眉前髪だが、最近では月9ヒロインをつとめた桐谷美玲、共演者の大原櫻子などもオン眉前髪を披露。
オン眉前髪は、非モテ系からモテ系にシフトの兆しあり!?
広末涼子&内田有紀のアイドルショートヘア
90年代ショートヘア部門のアイコン的存在は、広末涼子と内田有紀だろう。
現在も女優としてドラマに映画にCMに変わらぬ活躍を見せている広末涼子は、かつて90年代の人気アイドル。「広末涼子、ポケベルはじめる」というフレーズが話題となった、1996年のNTTドコモのCMで一躍注目を集め、ボーイッシュなショートカットで人気に火がついた。
同じくショートカットのアイドルとしては、同時期に大人気だったのが内田有紀。1994年のデビュー曲「TENCAを取ろう!」はオリコン1位を記録した。
広末・内田という90年代を代表する二大ショートカットアイドルが初共演した、2016年初めのドラマ「ナオミとカナコ」が記憶に新しい。美形が際立つショートヘアは最近でも、何かと話題の「のん」こと元「能年玲奈」や、ドラマ「時をかける少女」ヒロインで知名度を上げてきた黒島結菜など、正統派美少女にお似合いだ。
モー娘。もしたストレートパーマ
そして、忘れられつつあるのがストレートパーマ。現在も、くせ毛をまっすぐにするなどの目的のためにストレートパーマを取り入れる人は多いが、90年代末から2000年代初頭に流行したストレートパーマは、ツンツンするほどまっすぐしていて特殊なスタイルだった。
モーニング娘。の名曲「恋愛レボリューション21」のミュージックビデオなどは、ストレートパーマをかけたメンバーが目立つ。なぜあれほどまっすぐにする必要があったのか……と今にして思えば謎もあるが、ゆるふわヘアがモテるとされてきた反動で、また極端なストレートパーマが流行る日も近いのだろうか。
(空町餡子)
※イメージ画像はamazonより月刊カドカワ 1997年9月号 Vol.15 No.9 総力特集 篠原ともえ (月刊カドカワ)