脚本:渡辺千穂 演出:梛川善郎

空にかかる虹を信じ♪ の主題歌のサビのところで、合わせて跳ねるように進むすみれ(芳根京子)を見て心が弾む。
2話はざっとこんな感じ
刺繍がうまくできなかったすみれ(子役・渡邊このみ)は、針と糸を研究するため、お父さん(生瀬勝久)の大切な靴を分解してしまう。
すみれは冒険者
「悔しくて、悲しい。
でもそれ以上にうまくなりたいと思うすみれでした。」(ナレーション/菅野美穂)
せっかくゆりとすみれの刺繍をしたけれど、わかってもらえなかったことを↑こんなふうに思って、
かつ、靴が「針と糸を使う 針と糸、針と糸か、針と糸・・・」と熱に浮かれたようになるところなども
良い。
夜、でっかいハサミをもって、いかにも良さそうな靴に向かう姿も、冒険に向かう勇者のよう。
がんばれ!
いろんな登場人物
唯一、ゆりとすみれの柄だとわかってくれるひとが、1話の20周年パーティーで語っていた高良健吾演じる野上潔。名倉潤(坂東営業部取締役・野上正蔵)の子供。子役の大八木凱斗もきりっとした顔立ちが高良健吾に似てる。朝ドラでは「カーネーション」(11年)の3話に松坂勇役で登場。糸子に舶来品を見せてあげるお坊ちゃんだった。
そして、やがて谷村美月が演じることになる小野明美(坪内花菜)。
使用人マツの娘で母ひとり子ひとりで生きて来た女の子。坂東家の新築披露パーティーでクッキーに見とれていると、盗ろうとしていると咎められて、自尊心が傷つく。さらに、すみれに施された感じになって、捨ててしまう。今後のすみれとのやりとりが楽しみ。
腕利きの靴職人・麻田茂男(市村正親)。出て来るなり舞台がはじまりそうなほど、世界観が広がる広がる。近年ドラマや映画にも出ているがベテラン舞台俳優が演じる靴職人は、冒険者に教えをもたらす賢者のよう。
生瀬勝久や市村正親、執事役の曽我廼家文童など、大人の男たち(とくにおじいさん的な人)がいると安心。そういう意味では大人の男の少ない(おじいさんがいなかった)ドラマ「とと姉ちゃん」は厳しい戦いに挑んでいたと思う。
(木俣冬)