10月11日スタートのTBS系新ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』。『Kiss』(講談社)で連載中の海野つなみ先生による人気マンガが原作だ。
今回は1話から見える人物像を紹介したい。
「逃げるは恥だが役に立つ」今夜2話。身に覚えのある登場人物総ざらえ

1話の簡単なあらすじ


大学院卒ながらも内定は決まらず、さらには派遣切りにあい無職になってしまった森山みくり(新垣結衣)は、独身エリートサラリーマン津山平匡(星野源)の元で家事代行サービスのバイトを始めることになった。そこでみくりは、働きぶりが認められ仕事のやりがいを感じ始める。しかし、気まぐれな父親(宇梶剛士)の突拍子もない発案で、みくりが現在も住んでいる実家は田舎に引っ越すことに。

誰からも必要とされない辛さを知るみくりは、家事代行サービスを続けたいという思いから、津山に“契約結婚”という突拍子もない提案をしてしまう。しかし、その返事は意外にもOK。雇用主と従業員というとんでもない形の新婚生活がスタートした。

現代を象徴しているキャラクター達


このドラマには、現代社会が抱える問題を象徴し、誇張して形成されているキャラクターばかりが登場する。そこを踏まえて第1話から見えた登場人物紹介をしてみたい。

森山みくり(新垣結衣)
高学歴ニート。学歴が高いがゆえに就職できず、ずるずるとニート生活に陥ってしまう。みくりからは高学歴のプライドは見えないが、周りがそこを気にして面倒なループに陥ってしまっている印象だ。本人も就職先をかなり絞っているような発言はしている。

津山平匡(星野源)
超草食男子。
彼女いない暦35年。津山もプライドが高いというよりは、童貞をこじらせてしまってどうしていいのかわからないといった状況。ホームページの人物紹介で京大卒となっているので、青春時代を勉強に費やしすぎてしまったパターンかもしれない。契約結婚も、自分の殻を破るために勇気を振り絞ったと考えると相当かわいい。

土屋百合(石田ゆり子)
みくりの叔母。考え過ぎて結婚を逃してきた自立女子。大手企業の部長代理という立派な肩書きが逆に足を引っ張る。みくりと仲良し親子のような関係になってしまっている事も、結婚を遠ざける要因になっていそうだ。この美貌で処女。

風見涼太(大谷亮平)
津崎の同僚のイケメン。スーパー合理主義。結婚したがる彼女に対して「好きだし、一緒にいる分には楽しい。
でも、無くても困らないものをわざわざ買う?」とか言ってしまう超自信家。自分で何でも出来てしまうので、結婚願望すらない。本人は困らないかも知れないが、基本的に良いヤツのため、関わってしまった女性は災難。また、数十年後に後悔する可能性もある。

堀内柚(山賀琴子)
百合の部下の新入社員。若いのに「たくさんの男と付き合ったほうが見る眼も育つし、勉強になる」とか言ってしまうちょっと背伸びした感じのイマドキ女子。自分を過剰評価しているだけに、選り好みしすぎて一回変な男と結婚してしまいそう。風見と被る合理的な部分もあるが、付け入る隙はある印象。

逃げ恥占いが出来るかも。


他にも、津崎の同僚のゲイ沼田(古田新太)や、とにかく幸せそうな日野(藤井隆)など様々なキャラクターが登場するが、まだまだキャラクターとしての本質は見せていない印象だ。おそらく彼らにも現代人特有の弱点や特徴があることだろう。この先、親近感を覚えるキャラクターがいたら、それは自分と同じ問題を抱えているキャラクターなのかもしれない。
そのキャラの生き様を参考にして、“逃げ恥占い”的な感じでこのドラマを観てみても面白い。

本日18日に放送される第2話は、2人の両親を集めて結婚式を挙げないと伝えるのに悪戦苦闘したり、“新婚感”がないと勘ぐる津崎の同僚達が家に遊びに来たりと、本物の夫婦を一生懸命演じる回。

“正体がバレてはいけない”というたった一つのルールで、名探偵コナン、タイガーマスク、変態仮面など様々な作品が挑戦してきたドタバタコメディを期待したい。

(沢野奈津夫)
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