女優・タレントとして、さまざまな映画、ドラマ、CMなどで活躍中だが、46歳という年齢相応に、彼女の芸歴は長い。
デビュー当時の永作博美
永作博美の正式なデビューは1989年。フジテレビ系列の番組「パラダイスGoGo!!」で乙女塾のオーディションに合格し、1期生としてデビューしたのだが、その乙女塾というのは、1989年から1991年までフジテレビが主催・運営していたタレント育成講座だった。
フジテレビは他にもおニャン子クラブやチェキッ娘などのアイドルグループを主催していたが、乙女塾はあくまでも「育成講座」という立ち位置のため、乙女塾名義での楽曲は存在しない。
しかし、乙女塾出身のメンバーには、「東京パフォーマンスドール」「CoCo」「ribbon」など、人気アイドルグループに加入した者も多くいた。
コントも 永作博美の下積み時代
さて、永作博美が在籍していた乙女塾1期生は、「芸能(タレント)コース」と「モデルコース」の二つのコースによって構成されていた。永作は歌手コース。のちにアイドルグループribbonに加入し、松野有里巳、佐藤愛子(結成当時は佐藤の代わりに中嶋美智代)というメンバーとともに、1994年までアイドル活動をおこなっていた。
当時は「アイドル冬の時代」と呼ばれた時代。その中で、同じく乙女塾からデビューしたCoCoとともに、ribbonは芸能界で人気を集めながら健闘していくことになる。
ribbonは当時の女性アイドルグループとしては珍しく、「KURA・KURA」(テレビ朝日系列)、「シンデレラEXPress」(テレビ朝日系列)などコント番組も担当しており、積極的にコントに参加していた。
このような経験が、永作博美がのちに本格的な女優として活躍していく下積みとなったのだろう。
ribbonは1994年あたりから次第に自然消滅という形で実質解散しているが、1996年、2001年、2007年、2010 年にベストアルバムがリリースされていることをみても、根強いファンがいることは確かのようだ。
歌手としても活躍した永作
乙女塾出身者には、もう芸能界から消えている者も多く、その中で永作博美は一番の出世株と言える。
現在は歌手よりも女優としてのイメージが強い永作だが、ribbon名義以外にも、1993年から1998年にかけて4枚のシングルと2枚のアルバムをリリース。
また、ribbonとして活動していた1993年に出演した劇団☆新感線の舞台「TIME SLIP黄金丸」以降、数々の舞台にも出演している永作博美。2012年には「シレンとラギ」で劇団☆新感線の作品にふたたび出演した。
結婚・出産を経て2児の母となった今も、童顔と大人の色気を併せ持つ変わらぬ姿と、高い演技力で活躍を続けている永作博美。
彼女の息の長いキャリアの根本は、「アイドル冬の時代」を駆け抜けた若かりし日の数々の挑戦が支えているのだろう。
(空町餡子)
※イメージ画像はamazonよりWith