
同棲し始めたばかりの彼氏と、明日の天気や、彼の職場で起きた笑える話など、他愛もない会話をしていたのです。そこに少し間ができ、彼がじっとこちらを見つめ、「変な顔」と言いました。
「かわいい」と言ってもらったところで、そう簡単には真に受けないのですが、厄介なもので、「変な顔」と言われたら信じられないほど真に受ける。
■「ついふざけて言ったこと」がもたらす女性への傷

彼がそんな言葉を放った意図がまったく読めず混乱する中、ひたすら傷ついたことを態度で示しました。
「人を傷つけたことに気づけ」と言わんばかりに、彼に何が何でも私の「変な顔」を見せるものかと、アロンアルファがついた手で洗顔しちゃいましたみたいに、両手のひらを顔から決してはがさない午前 2 時。
しかし「変な顔のやつが怒ってる」と思われることが恥ずかしく、顔に手をビタッとつけたまま「怒っていないアピール」として笑い声をあげてみたり、受け答えは元気よくする始末。
そんなのさすがにシュール。異変に気づいて焦り始めた彼でしたが、自分が「変な顔」と言ったことが原因ということにすら気づかないのです。
「なにが嫌だったか話してほしい」と言われ、元々ない私の自信が、あなたの「変な顔」発言によって枯渇したこと、もう恥ずかしくて顔は見せられないから、あなたの前では今後この「アロンアルファスタイル」で生きていくことを伝えました。
■わかりづらい!「こいつーw」のバリエーションのひとつだったらしい
すると彼は言いました。
「デブに『デブ』って言う?」
「ブスに『ブス』って言う?」
詩を朗読する口調で、アロンアルファスタイルの私に諭し始める午前 2 時半。
「言う」と答え、ぐうの音も出なくさせたいけれど、言うわけないわ。でもねブスじゃない人にブスとも言わないよ、わざわざ。大人が。
「カップルがやる『こいつーw』ってあるじゃん?」
いきなり軽く頭をこずかれ、アロンアルファスタイルで前が見えていなかったため思わずよろめき、「変な顔」がチラリ。
「『変な顔』って言ったのは、『こいつーw』の一種だったんだよ」
「へー!『こいつーw』には仲間がいいたんだ?」
怒っていないアピール。
「なに?手で覆ってて聞こえない」
「ごめんなんでもない」
「ほらだって、『うっわ、変な顔!』っていうふうに言ってないでしょ?」
……圧倒的に向こうが悪いのに、めんどくさい話をさせてごめんなさいと私が思えてきている午前3時。
彼の意見としては、「愛おしくてふざけて言ってしまっただけ」……こんな傷つけるとは思わなくて後悔したそうです。
「変な顔」と言われて、私が「やったー」とソファから落っこちるほどに飛び跳ねるとでも思ったのでしょうか? こちらが喜ぶことだけを言ってほしいとまでは言いませんが、今回のはいわゆる「誰得」発言。容姿の否定はダメです。容姿だけではないですが、好きな人に言われた容姿の悪口は、下手したら一生聞き流せないです。
■まさかの網膜にまで悪影響!?「ふざけて言っただけ」が起こした悲劇

いまだに、「彼に変な顔と思われているんだ」と思って、彼が言う「かわいい」の言葉を、「変な顔事件」の罪滅ぼしとしか思えず信用できないのはもちろん、瞳が大きくなるカラーコンタクトレンズなしでは、彼と見つめ合うこともできなくなってしまいました。カラコン、目に悪いのに……。「変な顔事件」は、私の網膜にまで悪影響を及ぼしているのです。
■女子の心を傷つける発言はダメ!
「つい言ってしまった」ということは、男女関係なく誰にでも起こりうること。しかしとりあえず、容姿の否定はダメ! スマート男子どころか、人としてどうかと思います。女子の心を、網膜を傷つけます。 人によっては、手首を傷つけてしまうこともあるかもしれません。
彼はこの「変な顔」発言に対して詫びたものの、「でも普通の人なら気にしないことだよ」と、追い鰹みたいに余計な発言を追加させてしまう残念さ。
気にしますよ誰でも。顔に出す人出さない人、アロンアルファで顔を隠す人、反応は様々ですが、容姿のことはダメなんですって。今朝なんか化粧まで否定されて、彼のパソコンのデスクトップを「業務用 アロンアルファ」の検索結果画面にしてやろうかと思いました。
よく言えば、見た目でなく中身を好きになってもらえているということ……???容姿を否定された心では、そんなプラス思考になれませんよ。
(武井怜)