今年10月、運営メンバーの未成年飲酒が発覚し、慶応義塾大学の「ミス慶応コンテスト」が中止になったことは記憶に新しい。酒に酔わせての性的暴行疑惑も報じられ、ミスコンを運営していた「慶応義塾広告学研究会」には大学側から解散も命じられるなど、厳しい処罰が下った。この事件が起こる前からもジェンダーの視点からミスコンへの批判は高まっていたが、その流れに逆行するように、一橋大学では4年ぶりのミスコン開催が決定した。

一橋ミスコン4年ぶりの復活


一橋大学公認サークル「C&A」が運営するミスコン「Miss Campus Hitotsubashi 2016」では、11月10日現在、ファイナリスト6名が発表されており、12月14日に大学キャンパス内で結果発表イベントが行われるという。




さらにこのイベントは、これまでミスコンが中止されていた一橋、早稲田、法政、明治大学の4大学合同ミスコン復活イベント「Miss Try Angle」の一環となっているようで、このイベントは大学を横断して構成される「インカレ広告研究会CleliB!!」の主催。ちなみにこの「CleliB!!」は、東京大学の学園祭メインステージでなぜか慶應義塾大学在学中の2人の結婚式を行い、早稲田や明治のサークルがパフォーマンスで祝福するという企画を開催して炎上してしまった団体だ。

一橋大学のミスコンは、2012年に性同一性障害の学生が出場を申し込んだところ、「戸籍上の性別が女性である者のみ出場できる」として拒否され、委員会とのやり取りがTwitter上で公開されるなど、大きな問題に発展し、その後中止となっていた。さらに昨年8月には、一橋大学法科大学院生がゲイであることを暴露され、自殺に至るという事件も起きている。


学内外からも疑問の声が


そんな中で開催されるミスコンに、学内外からも批判の声が殺到。一橋大学の「一橋新聞部」が運営する「一橋新聞WEB」には、ミスコン主催やファイナリストへのインタビューが掲載された。「ミスコンには批判も多いですが」という質問に対し、主催者は「ミスキャンパス一橋は容姿が一定の水準以上であれば、男性も女性もエントリーできるようにしていくつもりです」と回答。これにも「性別関係なく配慮してるようで『容姿が一定の水準以上』とか線引きしてるのか」「“男性”も“女性”もっていう表現がまずおかしい」とネット上では批判が噴出している。

ミスコン自体には以前から「男女という枠で出場を決めるのはいかがなものか」という批判や、「容姿とか、能力とか、ひとつの価値観に沿って順位を決めることがおかしい」という声が上がっている。今回のファイナリスト6名には「ミス一橋ファイナリストがハイレベル」などという評判も立ち始めているが、批判の声を抑えるような結果を迎えることはできるのだろうか。
(佐藤尚)
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