このころの番組はロケなどを行うオープニングと、スタジオでのダウンタウンのトークで構成され、オープニングではスタッフを巻き込み、徹底してくだらない企画や実験が繰り返されたことで知られる。
『ガキ使』で作られた「ガキ水」
その中の企画のひとつで、「まずい飲み物を作ろう」というコンセプトのもと、「ガキ水」という飲み物が作られたことがある。基本理念は、1.世界一まずいこと。2.安全が保証されていること。3.販売できること。の3つだ。
当然ながら発売される飲み物は、基本的に美味しいものである。だが、「ガキ水」は意図的に、誰もが「まずい」と思う飲み物を目指し作られた。
某食品メーカーの協力をあおぎ、鉄分多め、強炭酸、イカスミ風味、ドリアン臭ありなど多くのサンプルが作られ、最終的に激辛ジュースの販売が決定した。
「ガキ水」の成分は?
「ガキ水」はどのようにまずかったのか。味は、唐辛子のエキスにレモン風味が加わり、辛さとすっぱさが合わさった味わいだったようだ。原材料名は“デキストリン、レモン果汁、香料、酸味料、レイシエキス、ニンジンエキス、エゾウコギエキス、ガラナエキス、アシタバエキス、トウガラシエキス、カラメル色素 ”といった並び。
よくわからないが、なんだか効きそうな栄養ドリンクといったところか。「まずい」としても、人体には安全な飲み物であるのは確かだ。
「ガキ水」は瓶入りの飲料であり、ラベルにはダウンタウン両名の顔とともに「か・ら・い飲料」のフレーズがプリントされていた。
実際に発売された「ガキ水」
「ガキ水」は1996年に番組の中で発案され、その後、東京と大阪においてコンビニを中心に販売された。容量175グラムで、価格は150円であったから決して安くはない。しかし、結果的に「ガキ水」はバカ売れしてしまい、スポーツ新聞に取り上げられたほど。
まさに人を喰ったような企画を連発していた「ガキの使い」らしい商品であると言えよう。
驚くべきことに「ガキ水」は、現在もインターネットのオークションサイトに定期的に出品されている。未開封品は1000円前後で取引されているようだ。無色透明だった中身は、黄色がかかっており“ドブの水”を連想させる。賞味期限も20年は過ぎているので、さすがに飲むことはできないだろう。