先日行われたアメリカ大統領選において、大方の予想をくつがえし共和党のドナルド・トランプ候補が勝利する番狂わせが起こった。政治家の経験も軍隊の経験もない、放言三昧の実業家がアメリカ大統領にのぼりつめてしまったのだ。


『電波少年』の「大統領直撃」シリーズ


そんな過激な大統領の誕生を受けて、あの番組の名物企画の復活を願わずにはいられない。それが『電波少年インターナショナル』シリーズ(日本テレビ系)の「ヨッ、大統領! ! にくいねコノっ!!」企画である。これは松村邦洋が各国の大統領にアポ無しで会いに行き、「ヨッ、大統領! ! にくいねコノっ!!」と、一言声をかけるだけのものだ。

当然相手は、その国にとっては最上級の要人であるためガードは固い。韓国の金大中大統領、旧ソ連のゴルバチョフ元大統領、ペルーのフジモリ大統領など(肩書は当時)、多くのプレジデントをターゲットに定めるもほとんどが失敗に終わった。ただ、中には見事成功したケースもある。

成功したマンデラ大統領との対面


南アフリカ共和国のネルソン・マンデラ大統領は数少ない成功例のひとつだ。マンデラ大統領は、同国に長く存在した人種隔離政策(アパルトヘイト)に抵抗し、投獄経験もある人物。1990年に釈放後、南アフリカ史上初の黒人大統領となっていた。

現地へ飛び、大統領の演説会場へかけつけた松村であったが、自らを日本のプレジデント(大統領)だと名乗ったとされ、一時現場が混乱する騒ぎが起こった。これは英語ができない松村が、単語を繰り返したことによる単純な誤解であったとみられる。
その後、空港で大統領と対面を果たした松村は、握手と例の言葉をかけることができた。突然の対面にマンデラのボディガードは銃口を構えようとしたが、「日本から来てくれたのだから」と大統領が制し、松村と握手をしてくれたという。マンデラ大統領が2013年に95歳で亡くなった際には、松村もその死を悼んだ。


カーター元大統領と偶然の遭遇!


アメリカ合衆国のジミー・カーター元大統領も面会がかなった一人だ。彼の地元であるジョージア州のアトランタに飛び情報収集を行ったのだが、最初にたどり着いた場所はカーター記念館。当然そこに本人はいない。
翌日、別の情報を頼りに400キロ北の街へ向かうと、自転車に乗ったカーター元大統領に偶然遭遇する奇跡が起こる。見事、対面を果たしたものの、英語力のない松村は何を聞かれても「ヨッ、大統領! ! にくいねコノっ!!」を繰り返すばかりであった……。

いま、このシリーズがあったならばトランプ新大統領に突撃していたのは間違いない。単純であったが、成功のインパクトが大きい企画であった。

※イメージ画像はamazonより電波少年 BEST OF BEST 雷波もね! [レンタル落ち]
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