新宿にある東京おもちゃ美術館で出会った『沖縄おもしろカルタ』が、名前に偽りなく本当に"おもしろ"かったのでご紹介。どこかで見たことがあると思ったら、あの「IPPONグランプリ」で「このカルタの読み札を教えてください」のお題として採用されているもの。
作者は沖縄の人気張り子作家!はじめは展示用として作成
カルタの作者は、沖縄の琉球張子作家・豊永盛人さん。2008年、「島言葉の日」(9月18日)に合わせて沖縄県立美術館で行うイベントで、「沖縄の言葉」をテーマに何か作品を…と依頼を受けて展示用に作った作品だったそう。
「製作期間は、構想も含めて1ヶ月強くらい。読み札の言葉は、沖縄の人なら若い人でもわかるようなライトなものを選びました。古い言葉の素晴らしさを伝えるというより、ニュアンスを残すことを大切に、とにかく楽しめるものを作りたいなぁと思って」と豊永さん。
「一番のお気に入りと言われると難しいけれど、沖縄のカルタとして核になるのは『と』(とーとーめーからみるけしき)。"とーとーめー"とは一家が入る位牌のことで、沖縄ならではのもの。
ここで、気になる『か』と『ま』をご紹介。
まずは『か』
かんぷーすればいいのにね
訳は、髪を結べばいいのにね。どんなに勘のいい人でも、沖縄に精通していない限り絶対にわかりません。
続いて『ま』
まぎーまやーのいるまちやー
まぎー=大きい、まやー=猫で、訳は大きな猫のいる商店街。この札のおもしろさは解説文にあり。「沖縄の猫はビックリするほど大きく、商店街はビックリするほど薄暗いです」。これです。
読めば読むほど、沖縄言葉の虜に!
ここからは、筆者が好きな作品をいくつか紹介します。
まずは『け』
けっこんしきでカチャーシー
訳は、結婚式でカチャーシー。カチャーシーはかき回すという意味があり、頭の上でゆらゆらと手を振る踊りのこと。お祝い事の際に、みんなで踊るのだとか。
次は『し』
しんちくいわいでカチャーシー
新築祝いでカチャーシー。
そしてそして、『た』
たんじょうかいで……もうみなさんおわかりですよね?
カチャーシー。正解です!! 気分は「カチャーシーのことならなんでも知ってるぜ」というところまで来ているはずです。
カチャーシーネタはこの辺でお開きにして、続いて『よ』
よくみたらまるばいですね
訳は、よく見たら丸裸だね。いやいや、パッと見でも丸裸です。
最後に筆者の個人的な一番のお気に入り、『や』
やーたーやが
訳は、おまえはだれだ。昔の沖縄の家は、自由に出入りできるように開いていたことから作られた札だそうですが、家に帰って見知らぬ子がテレビゲームをしていたら私でも言いますね、「おまえはだれだ」と。
いかがだったでしょうか。『沖縄おもしろカルタ』の世界観、とっても魅力的だと思いませんか? 沖縄の言葉も学べて、大人も楽しめるこのカルタ。みんなが集まるお正月休みのレジャーとしても大活躍してくれそうです。
(カツウラアヅキ)
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