おせちの「昆布巻き」に注意!意外と糖質の多い昆布の賢い食べ方

2016年もいよいよ残すところあと一か月を切った。新年の幕開けといえば、おせち料理である。
近年、ぞくぞく登場している各百貨店や店舗からの「糖質オフおせち」は、今年、ますます目立ってきたように思う。
このおせち、黒豆煮や栗きんとんなど、見るからに糖質が多いもののほか、一見糖質が少なそうだが意外と多いものもある。そのうちの一つが「昆布巻き」だ。
そこでこのおせち料理の昆布巻きについて調べてみた。

昆布の糖質量は?


おせちの「昆布巻き」に注意!意外と糖質の多い昆布の賢い食べ方

昆布は海藻でカロリーも低く、健康に良いように思える。そんな昆布に糖質が多いとは驚きだ。五訂増補日本食品標準成分表によれば、昆布の糖質量は次のような結果になっていた。


日本昆布協会の公式サイトによれば、おせち料理の昆布巻きとしてよく使われるのが、長昆布と三石昆布(日高昆布)、そして表にはないが、厚葉昆布(あつばこんぶ)というものだという。長昆布は最も生産量が多く、佃煮や昆布巻などとして加工されるものとされる。よって、おせち料理で出会う確率が高いのが、長昆布と三石昆布(日高昆布)を使った昆布巻きということになる。

長昆布と三石昆布(日高昆布)の糖質量を見てみよう。
それぞれ100gあたりの糖質量は、長昆布は21.7 g、三石昆布(日高昆布)は29.9 gだ。ちなみに、炊いたご飯(精白米)の糖質量は100gあたり糖質 36.8g。
つまり昆布の糖質量は、ご飯の約6割ほどの糖質量であることが分かる。昆布といえば、一見糖質が0のように思えるが、その予想を裏切る多さである。

おせちの昆布巻きを食べても太りにくくするには?


そんな糖質の多い昆布を使用したおせち料理の昆布巻きを、より太りにくく食べるにはどうすればいいのだろうか。そのアイデアを、管理栄養士の穴山幸さんに尋ねてみた。

「昆布巻きの糖質の多さは、素材はもちろん、煮物に使用する、砂糖やみりんにも由来しています。そのため、糖質オフするには昆布巻きの作り方から工夫してみましょう」

●糖質オフの昆布巻きの作り方
「昆布巻きを作る際の調味料は、みりん、砂糖、酒に糖質が含まれています。なかでも、みりんと砂糖で甘みをつけて保存性を高めているため、これらをたっぷりと使用します。そこで、砂糖とみりんの代わりに、血糖値の上昇しない『エリスリトール』で甘みをつけてはいかがでしょうか。保存性は落ちるかもしれませんが、現代は冷蔵庫があるため、料理がいたむ心配も少ないでしょう。昆布巻き以外にも、伊達巻、黒豆、栗きんとんなど砂糖やみりんを使用するおせち料理に使って、おせち料理自体の糖質をオフしておうことも、正月太りを防ぐひとつの工夫です」

太りにくいおせちの食べ方


穴山さんによれば、昆布巻きを含むおせち料理は、食べ方を工夫するだけでも太りにくくすることができるという。
「おせち料理は食べ方によって太りやすい、太りにくいが影響します。空腹時に甘いものを食べると、一度に血糖値が急上昇してしまい、太る原因につながりますので、おせち料理もベジタブルファーストで食べましょう。次のような食べ方で血糖値の上昇を緩やかにすることができ、正月太りを防ぐことができますよ」

1.先に、紅白なます、酢ばす(酢レンコン)、たたきごぼうなどを食べ、お雑煮のおつゆや野菜でお腹を満たす。

※ただし、野菜といっても根菜の「煮しめ」は糖質を多く含むため最後に。

2.次に、たんぱく質源が豊富な数の子、いくら、海老、鶏の松風焼き、肉巻きなどを食べる。
※伊達巻は卵がたんぱく質源だが、砂糖が多いため最後に。

3.最後に、糖質を多く含む昆布巻きにはじまり、黒豆、伊達巻、栗きんとん、お雑煮のお餅を食べる。

そして穴山さんによれば、「食べたら動く!」が、正月太り解消の鉄則だという。

「食べた後は、すぐに外に散歩に行きましょう。親戚へのご挨拶やお墓参り、初詣など近くのお寺にお参りに行くのも良いでしょう。外のお庭掃除や玄関のお掃除もオススメです。
しかし、元日に掃除や家事をすると“福の神が逃げる!”という迷信もあるようです。
食べた後に動くのが難しい場合は、お雑煮のお餅は半分にする、お砂糖たっぷりのおせち料理は控えておくなど、エネルギー源としてのみ働く糖質を控えることが、正月太りを防ぐひとつの方法です」

来年の正月は、昆布巻きをはじめとした糖質の意外と多い「おせち料理」を工夫して作って食べてみてはいかがだろうか。そうすれば、新年早々、いつものように正月太りに後悔しない、すがすがしい一年のはじまりになるだろう。
(石原亜香利)

取材協力 管理栄養士 穴山幸さん
株式会社アミカウエル代表取締役。

女子栄養大学を卒業後、サプリメント診断の開発やダイエットのコンサルサポートを経て、分子栄養学に出会う。数々のクリニックで分子整合栄養医学に基づく栄養指導を行う傍ら、アスリート、認知症、がん、生活習慣病、不妊症、統合失調症など様々な分野で、分子整合栄養医学を通した実践可能なアプローチ方法を講師や個人に広める活動を行う。
http://amicawell.wixsite.com/amicawell
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