今年、不倫が問題となった芸能人は数多いが、今年に限らず芸能人の不倫は毎年騒がれるもの。
そのなかでも大きな話題となったのが、自らの不倫後の謝罪会見を妻・カイヤを伴って開いた川崎麻世の不倫釈明会見だ。
妻同伴で記者会見に臨んだことは大きな注目を集めた出来事だった。

川崎麻世は日本のアランドロン!?


彫りの深い面立ちで長身のイケメン俳優、といえば少し前なら阿部寛、今なら速水もこみちなどがいる。
90年代に、その先鞭をつけた一人が、今回の主役・現在53歳の川崎麻世だ。デビューの発端となったのは、1970年代に放送されていたバラエティ番組の素人コンテストコーナーへの出演。川崎は、当時人気絶頂にあった歌手・西城秀樹の振りマネで出演した。これをきっかけに「ヒデキの再来か!」「和製アラン・ドロン登場」と一躍人気者に。さらには、ジャニーズ事務所のジャニー喜多川社長の目にとまることとなり、芸能界への道筋がついた。

お相手は斉藤由貴


記者会見の様子を紹介する前に、そもそも不倫とはどのようなものだったのかを振り返ってみよう。
まずお相手は、女優の斉藤由貴。ほんわかとした癒し系の雰囲気で多くの男性ファンの心をつかんだ.
「天然」「ふしぎちゃん」の元祖だ。
ほんわかムードとは裏腹に、演技力という意味では実力派だった斉藤。NHK連続テレビ小説「はね駒」のヒロインを演じ、初出場を果たしたNHK紅白歌合戦では紅組キャプテン役に。若い世代に絶大なる人気を誇ったドラマ「スケバン刑事」への出演など連続テレビドラマへの出演も果たし、女優としての地位を着実に築いていた。
一方、父親の影響で入信し敬虔なモルモン教信者であるという一面も持ち合わせていた。
そうした私生活もまた、つかみきれない、浮世離れした雰囲気にさらに拍車をかけた。

そんな彼女だが、川崎のみならず尾崎豊との不倫を報道されたこともある。一説によれば、戒律の厳しいモルモン教や厳格な信者である父親に対する反動による行動だったのではないかと憶測する関係者もいるという。

仁王立ちのカイヤ、涙ぐむ麻世


さて、肝心の1993年7月某日。東京・宝塚劇場の稽古場に大勢の報道陣を集めて行われた川崎の不倫釈明記者会見。現れたのは、おそろいのジーンズ、Tシャツ、ブーツというペアルックに身をつつんだ麻世とカイヤの二人だった。
ただ、ペアルック姿とはいえ、会見の間中は仁王立ちで腕組みをし、険しい顔つきで夫を睨みつけるカイヤ。その傍らで川崎は、終始疲れ切った表情のまま涙声で語るのだった。

騒動後の斉藤由貴


その4日後には、斉藤がロケ先の海外から帰国し会見を実施。帰りの飛行機のなかで書いたという声明文を読み上げた。声明文には川崎を責める記載は一切なく、自身への反省の言葉と川崎との縁を切る潔さが綴られた内容だった。
さらにその騒動から2カ月後、斉藤は友人の紹介で出会ったモルモン教徒の男性と意気投合。1年後には入籍した。

不倫会見をきっかけに大ブレイクしたカイヤ


不倫の「被害者」ではあるカイヤだが、この一連の不倫騒動はプラスに働いたようだ。
それまでは専業主婦に徹していたが、もともとは、元ユニチカ水着キャンペーンガールでありスタイルの良さは抜群。会見では「鬼妻」のイメージが強烈だったが、掘りの深いはっきりとした顔立ちは往年のエリザベス・テイラーを思わせる美しさだ。
さらには、本音がずばずば飛び出すモノ言いも相まり、大衆受けする際立ったキャラが確立。テレビで引っ張りだことなった。
こうしてみると、川崎をめぐる女性二人は、川崎を踏み台にステップアップしたともとれる。

一方の川崎のほうはといえば、ホステス、元モー娘。のタレント……と浮気遍歴はとどまらず。ただ、別の見方をすれば、「不倫キャラの川崎」VS.「猛妻キャラのカイヤ」との構図が定着し、「夫婦仲良く」芸能界における地位を築くことができたともいえよう。
災い転じて福となす、とはこのことだろうか?
(せんじゅかける)

※イメージ画像はamazonよりゴールデン☆ベスト 川崎麻世
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