Twitterフォロワー20万人超のラブホスタッフ上野さんによる「空想恋愛読本」。本連載では、マンガ・ドラマ・アニメ等の登場人物が現実にいたらモテるのか分析。
そこから女性にモテるためのアドバイスを導き出します。
「スラダン」花道が晴子と付き合いたいならバスケをすべきではない【ラブホの上野さんの空想恋愛読本】
画像出典:Amazon.co.jp「SLAM DUNK THE MOVIE Blu‐ray

バスケマンガの金字塔といえば、井上雄彦先生の「SLAM DUNK」(スラムダンク)でしょう。
まさに王道を行くスポーツマンガであり、連載が終了して20年も経っているというのに、いまだにファンの多いことからも、どれだけ素晴らしいで作品あったか分かります。

さて、そんなスラムダンクの主人公である「桜木花道」で御座いますが、彼は高校に入学した時点ではバスケに興味が無い、というよりバスケのことを物凄く嫌っておりました。しかし、同級生の赤木晴子に一目ぼれし、彼女が「花道はバスケに向いてる」と言うと、態度を180度変えてバスケへと熱中していきます。

今回は「桜木花道がバスケを始めた理由」から、モテるのか、モテないのかということを考察させて頂きます。


モテたいならバスケをしてはいけない


高校のバスケ部というのはモテる方が多いでしょう。非常にステレオタイプな物言いになってしまいますが、バスケ部や野球部、サッカー部は、高校において「花形」で御座います。目立つというのはそれだけで「モテる」に繋がるところが御座いますし、基本的にスポーツで汗を流している男性は格好がいいものです。
花道のライバル・流川のような「バスケ部の〇〇さんのファンクラブ」という話はよく耳にするものの、「帰宅部の○○さんのファンクラブ」という話は聞いたことがありません。帰宅部であることを否定するつもりは全くありませんが、「高校時代にモテるかモテないか」ということだけを考えるならば、どう考えても花形の部活に軍配が上がるでしょう。

しかし、それでもなおモテるためにバスケをしてはいけません。
正確に言えば、バスケをすればモテる、という発想は「間違いではないけれど物凄く遠回り」であると言わざるを得ないのです。


なぜ、私がこのように言うのか、皆様はお分かりになりますでしょうか?
「スラダン」花道が晴子と付き合いたいならバスケをすべきではない【ラブホの上野さんの空想恋愛読本】
画像出典:Amazon.co.jp「SLAM DUNK―完全版 (#1)


もし、モテるためにバスケをしたらどうなるか?


晴子からバスケ部に誘われた花道は「バスケをしている人が好き→バスケ部に入る!」という理屈でバスケ部に入ることになります。

まず最初にお伝えしなければならない点として「バスケをしている人が好き」と言う女性は、基本的に「バスケが上手い人が好き」という意味であることがほとんどで御座います。
普通の人であれば、別にバスケが上手くても下手でもそこまで気にはなりませんが、バスケをやっている人が好き、なんて言ってしまうくらいにバスケ好きなのですから「バスケが下手な選手」は「バスケをやっていない人」よりも厳しい立場にあると言わざるを得ません。
ヒエラルキーとしては、

バスケが上手い人>>>バスケと関係ない人>バスケが下手な人>>>バスケ嫌いな人

くらいの感覚でしょう。

さて、花道は「類まれなるバスケの才能」「高身長という天性の武器」「地道な努力」という3つの要素が奇跡的に重なり合い、高校生の中でも指折りのプレイヤーになりました。

しかし、現実的な話をすると「モテるために○○を始めた」という方は、ほとんどの場合において「好きで〇〇を始めた」という人に勝つことが出来ません。「好きこそものの上手なれ」ということわざの通りで、基本的にその界隈でトップに立つことは難しいのです。

つまり「バスケが好きな人が好き」と言う女性を口説こうと思ったら「バスケのトップ」に立つか、そうでないのならば「バスケに関係のない口説き上手な人」になるのが一番効率的なのです。

そして、もう1つ重要な要素として「時間」が御座います。
花道ばりに奇跡的な要素が絡み合ったとしても、バスケが上達するのに半年くらいはかかりました。現実であれば、どれだけ早くても2年くらいはかかることでしょう。
それでは仮に2年後に高校のトップレベルになれたとして(この時点で相当奇跡ですが)、そのとき晴子さんはどうなっているでしょうか?

たいていの場合、2年後には彼氏が出来ています。バスケとは無縁の口説き上手な人、もしくは中学からバスケをしていて最初からトッププレイヤーである流川みたいな人と付き合っています。


そう、現実において、こういう遠回りな行動はたいていの場合「間に合わない」のです。
学生ならまだしも、社会人になって「モテるために3年筋トレ」なんてしていたら、相手は結婚しています。
「スラダン」花道が晴子と付き合いたいならバスケをすべきではない【ラブホの上野さんの空想恋愛読本】
画像出典:Amazon.co.jp「スラムダンク (3)


「私、バスケをしている人が好きなの」と言われたらどうすればいいのか?


では、「バスケをしている人が好きなの」と言われた時に、本当はどのような行動を花道はとるべきだったのでしょうか。

私が一番オススメしたい方法は「バスケの話を適当に流して、デートをする」で御座います。もしも花道が「へー晴子さんはバスケが好きなんですね。俺も好きですよバスケ。まぁやったことはないんですけどね。
じゃ今度一緒に試合を見に行きません? 近くの駅でプロのバスケの試合やってるらしいんですよ」的な軽いノリでデートに誘っていたら、スラムダンクが名作とされることはなかったことでしょうが、コミックス4巻くらいで晴子と花道が付き合っていた可能性はあったと思います。

または、バスケ以外のデートに誘う前ふりとして「晴子さんはバスケが好きなんですか。じゃあやっぱりバスケしてる人の方が好きなんですか?」→「(肯定する返事)」→「じゃあ好きになった人がバスケ辞めたら嫌いになっちゃうくらい?」→「(そんなことはないと否定する返事)」という風に、暗にバスケしてなくてもOKという発言を引き出す会話を組み立てても良いですし、完全にバスケを無視して「バスケ好きなんすか? じゃあ映画見に行きません?」でも良いとは思います。
「スラダン」花道が晴子と付き合いたいならバスケをすべきではない【ラブホの上野さんの空想恋愛読本】
画像出典:Amazon.co.jp「INOUE TAKEHIKO ILLUSTRATIONS

もちろん高校生の花道に「初対面でデートに誘う」なんていう暴挙を要求するつもりは御座いませんし、社会人であってもそこまでの行動をとれとは申しません。
ですが、過激な手段では無いにしても、何かしらの「恋愛行動」を行うべきであるのです。それこそアドレスを聞くでも、趣味の話で盛り上がるでも、何でも構わない。
下手でもダサくてもいいので、恋愛行動を取ることこそが恋愛が上達する最も簡単で効率的な手段であることは間違いございません。

バスケも恋愛も最初に始めるべきことは同じ


仮に私が全くのバスケ初心者だったとしましょう。ルールも知らなければ、ボールに触ったこともない。そんな状態だとします。
そんな私にバスケを教え、上達させるとしたら、皆様はまず何を行いますか?
筋トレ? ルールの講習? ランニング? 戦術の勉強?
これらの手段も「バスケ上達」に必要なのは間違いありませんが、最初に行うべき行動ではないと私は思います。何も知らない人に何かを教えるとしたら、まず「ボールに触らせる」ということを行わせるべきではないでしょうか。

どれだけルールを口頭で伝えても、百聞は一見に如かず、実際にボールに触れさせながらルールを教えた方が早いのです。筋トレをすれば確かに体力は付くでしょうが「筋トレだけをした人」と「ボールに触れただけの人」のどちらの方がバスケが上手いかを考えれば一目瞭然でしょう。それに筋トレなどのサブ的な要素は「必要に応じて、必要なだけ」行えばよいのです。

バスケが上手くなりたいのなら、まず何を置いても「バスケ」を最初に行うべきである。それ以外の要素は、バスケが上達に必要だと思ったときに、必要なだけ取り入れればいい。
これは恋愛にも間違いなく当てはまる法則で御座います。恋愛が上手くなりたいなら、まず何を置いても「恋愛」を最初に行うべきである。

確かに、金持ちになればモテます。筋トレをしてもモテます。外見を磨いてもモテます。そのことは間違いないですし、その努力自体が悪いとは言いません。ですが、単純に「モテる能力の成長」ということだけを考えるのであれば、何を置いても先に「恋愛」の練習をしなくてはならないのです。
「スラダン」花道が晴子と付き合いたいならバスケをすべきではない【ラブホの上野さんの空想恋愛読本】
画像出典:Amazon.co.jp「スラムダンク (1)


モテようとする人が始める趣味「3M」と「3B」


さて、やや余談になりますが、私が3Mと3Bと呼んでいる趣味が御座います。

3Mは
マジック
マッサージ
まじない(占い、オカルト等)


3Bは
バンド
ボールゲーム(球技、ただし本当に申し訳ないのですが卓球は除く)
ボード(スケボー、スノボー、サーフィン等)


これらの趣味を否定するつもりは一切ございません。
そのうえで説明をすると、
3M……何にも自信がない男性がモテようと思って始める趣味
3B……なぜか妙に自信がある男性がモテようと思って始める趣味
という意味で使っています。

なんとなく思い当たる節がある方も少なくないのではないでしょうか。

総括


モテるためにバスケを始めた桜木花道でしたが、徐々にバスケの魅力に取りつかれ「恋愛云々関係なくバスケをする」というスタンスになります。動機は何であれ、実際にやってみるということは非常に重要ですし、花道のように最終的に真剣にならなくとも、真剣では無いものの生涯の趣味になることだってあるでしょう。
そういう可能性も御座いますので「モテるために○○をする」という手段を否定するつもりは御座いません。

ただ目的が「モテるため」であるのならばその手段は「非効率的」であるということだけをどうかご理解いただければと思います。
(上野)