
元女優で現在自民党の三原じゅん子参議院議員(52)が、24歳年下の元公設秘書(現在は私設秘書)の男性との結婚を発表してから約1カ月。新たな情報に世間の関心が高まっています。
その情報というのは、12月2日発売の週刊新潮が報じた、元内縁関係の夫への年800万円の給与の支払いが、今もまだ続いているという話です。
同誌には、生活力に乏しい彼が泣きついたため、勤務実態が無きに等しいにも関わらず、慰謝料がわりに続けていると書かれています。事実なら政治家として資質が問われる問題のため、公私混同に怒りを覚える声も多く寄せられています。
税金を使ってこのようなことを行う点については、もちろん国民として腹が立つのですが、このニュースで感じる違和感には、もっと複雑な心理が隠れているように感じます。
「女がやった」という特別感
今回1番話題になっているのは、三原さんが税金を使って2人の男性を養っているという点です。両者ともに現在は私設秘書扱いとのことですから、一体三原さんの給与というのはいくらなんだ……とザワザワしてしまいますが、ふと考えると、「男性議員が若い愛人(恋人)を秘書に迎え入れる」という行為は、定期的に耳にする話ではないでしょうか。個別の事例は取り上げませんが、議員のスキャンダルとしては“ありがちなパターン”ともいえます。
しかし今回炎上につながっているのは、「三原じゅん子」という知名度がある人物が起こした問題だからというだけでなく、当事者が男女逆転しているという点にも、注目度の高さがありそうです。
ネットのリアクションを見てみるとその傾向は顕著で、男女ともに「政治家なのに許せない!」「税金をなんだと思っているんだ」という怒りの声が出ていますが、同時に女性側から「24歳年下と11歳年下をはべらせて気持ち悪い」「男なしじゃやっていけないオバさん!」というような、政治家としてではなく、同姓としての嫌悪感が多数寄せられています。
これはひとえに、彼女が女性だからという点に注目が高まった証拠でしょう。
行ったことについては言語道断ですが、「女が2人の男を養った」という逆大黒柱の図については、時代の最先端をいく生き方ともいえるため、もっと正しいやり方で発揮して欲しかったと思うばかりです。
芸能人の第二の活路になってはいけないと思う
もう1つの違和感は、彼女が元芸能人であるという部分です。
近年タレントやスポーツ選手から政界転向を図る人物は一定数いますが、彼女の今回の行いを見て、芸能人の第2のキャリアとして政治家を目指す流れがさらに増加するではないかと、不安になった人も多いのではないでしょうか。
選挙に出馬するような芸能人というのは、元々ほとんどの人がクリーンなイメージと知名度を基盤に持ち合わせています。政治知識のあるなしに関わらず、知名度とイメージが先行して当選する人もいるようで、選挙のたびにいわゆる「タレント議員」の誕生については問題になっています。
もちろん元芸能人議員全員がそうではありませんし、政治家となったあとに勉強し、実績を上げている方もいらっしゃいます。
しかし、先日小池百合子都知事が立ち上げた政治塾「希望の塾」に多数の芸能人が入塾しているのをみると、第2のキャリアとして「政治」という分野に注目が集まっているのは間違いありません。
それに今回の「元芸能人議員が税金で男を養っていた」というニュースが加わることで、「ボロい職業」という本来とは異なるイメージがついてしまわないか心配なのです。
三原さんといえば、金八先生で演じた名ゼリフが、みなさんの記憶の中にもあると思います。
「顔はやばいよ、ボディーやんな!」
つまり悪事はバレないようにきっちりやれという意味なのですが、30年以上の時を経て、こうしてブーメランのごとく自分に返ってきている状況に、彼女は今、なんと答えるのか、聞いてみたい気もします。
(おおしまりえ)