「ラブラブ♡偉人伝」今回のテーマは、「佐賀藩主・鍋島直茂と陽泰院夫婦」です。

二人の出会いは直茂の「一目惚れ」がきっかけ♡
戦国時代の九州は、龍造寺・島津・大友という3つの有力な大名によって支配されていました。直茂は、この中の龍造寺家、龍造寺隆信の副将として活躍し、後に佐賀藩主となる人物です。
ある時、龍造寺隆信は直茂や家臣を引き連れ、九州の大名である有馬家との戦いに出陣します。その道中で石井常延の屋敷に立ち寄り休息を取ることにしました。主人の常延は、皆を労おうと昼食に鰯(いわし)を焼く事に。女中達は鰯を焼き始めるのですが、隆信と家臣達の人数が多く、大量の鰯を焼くのに手間取ってしまいます。その様子を見ていたのはこの主人の娘である陽泰院でした。「なんて、手際が悪いの!」 陽泰院は、厨房から鰯を運び、庭先に炭と竃の火をぶちまけ、豪快にもその上に鰯を並べ焼き始めました。焼きあがった鰯は一旦ざるにいれ炭をふるい落とし、皆にふるまったそうです。お腹を空かせていた直茂は熱々の鰯を食べながら、「なんと豪快!あのように機転の利く娘を妻に迎えたいものだ!」 と陽泰院に一目惚れしてしまったようです♡
直茂 「武士道精神」で陽泰院への愛を貫き通す♡
このエピソードは佐賀鍋島藩に伝わる武士道を説いた「葉隠」に記されています。「葉隠」といえば、あの「武士道というは死ぬ事と見つけたり」という言葉でもおなじみですね!
しかし陽泰院、確かに機転はききますが、いきなり庭先に炭と火をぶちまけてしまうなんて、初対面で見ると、ちょっと現代の男の子達は引いてしまうかもしれませんよね……。でも直茂は違う! 自分に必要な女性だとピンと来たのでしょう。この人なら、自分を賢くサポートしてくれて、困った時は臨機応変に対応してくれるだろう! そうと決めたらもう結婚したい。
ちなみに、直茂と陽泰院はお墓になってもラブラブなんです♡ 寄り添うように立つ墓石からも愛を貫き通した直茂の武士道精神が伝わってきますね!

「写真提供:佐賀県円城寺雄介氏」
一歩間違えればストーカー!? 押して押して押しまくる直茂の行動力♡
陽泰院に一目惚れした直茂。それからというもの、来る日も来る日も陽泰院の住む石井家の屋敷に通い詰めます。

皆が寝静まった夜、抜き足差し足で忍び込んでは陽泰院と逢い引きし二人の愛を育んでいました。しかし、石井家の家臣達は何度も不審者が侵入している様子に気づき、ある時ついに直茂は家臣にその姿を見つけられてしまいます。二人の関係を知らない家臣に泥棒と間違われた直茂。屋敷中を追いかけ回され、外に逃げようと堀を乗り越えたところを刀で斬りつけられてしまいます!刀は直茂の足裏に命中し、傷跡は消えることなく生涯残ることに……。それだけ足しげく陽泰院の元に通う直茂の想いが届いたのか、、晴れて二人は結婚します。直茂の足裏の傷は名誉の勲章ですね。想いを寄せる相手の家へ毎日通い続けるなんて、現代では一歩間違えればストーカー扱いされてしまいますが、陽泰院自身も受け入れていたのでギリギリセーフですね。

でも直茂のこの行動力はぜひ現代男性たちも参考にして欲しいです! 現代では、「嫌われたらどうしよう……」などとあれこれ考えて行動に移せず先に進まないパターンもよくあります。毎日相手の家に押しかけるのはさすがにやり過ぎですが、この直茂の行動力を思い出して自分を奮い立たせましょう!
上から目線はNG! どんな相手でも愛を持って接する直茂の優しさ♡
結婚後もラブラブな直茂と陽泰院は、ある冬の寒い夜、火鉢に当たり暖をとっていました。直茂はこんな思いを巡らせます。
家臣を呼んだ二人は領内の牢屋に入っている罪人の数を調べるよう命じました。意味が分からずも家臣はその数を調べて報告すると二人は「人数分のお粥を作り、牢屋の罪人たちにふるまいなさい」と指示。作られたお粥がすぐさま罪人たちの元へ運ばれました。罪人たちはこの二人の優しさに感動し涙を流したそうです。
佐賀藩主となったからといって、夫婦二人の幸せだけを考えるのではなく、弱い立場にある他人たちにも気を配れる直茂の優しさ。ここにも、直茂が陽泰院に愛されているポイントがあります。
これは現代でも同じです。職業や身分に関係なく、他人にも自然に優しく接することは愛され男子になるための大きなポイントです! ファミレスの店員さんにタメ口を利いたり、偉そうな態度を取ったりしていませんか? お年寄りの方たちにも優しく接していますか? 直茂の、想いを伝える行動力・周囲の人たちへの気配りを参考に、現代女性に愛される男子を目指していきましょう!