『NHK紅白歌合戦』の出場メンバーが発表され、KinKi Kidsの初出場が話題となっている。KinKi Kidsは1997年に『硝子の少年』でメジャーデビューを果たしており、20年めの初出場となる。


なぜ今まで出場がなかったのか不思議であるが、毎年KinKi Kidsは年末年始にコンサートを行っていたことも、出場が叶わなかった一因だろう。今年は東京ドーム公演を前倒しにすることで、出場がかなった。紅白の翌日には大阪公演が行われるため、まさにハードスケジュールである。

高校生コンビだったKinKi Kids


なにより、90年代のKinKi Kidsは、ジャニーズアイドルの中でも多忙を極めたコンビであったといえるだろう。同じ苗字、関西出身、同年齢(学年は剛が一つ上)という共通項から常に2人で売りだされており(ジャニーズ初のデュオでもある)、ドラマ、バラエティ、コンサートとめまぐるしく働いていた。
当時の彼らは高校生である。剛は多くの芸能人が通う堀越高校を3年で卒業し、光一も5年かけて通信制高校を卒業している。


キスシーンも話題になったキンキ出演ドラマ


KinKi Kidsの知名度をあげたのは、1994年に放送されたドラマ『人間・失格』(TBS系)だろう。2人はともに15歳。剛は関西からの転校生である誠、光一はミステリアスな少年である留加を演じた。このドラマは同性愛がモチーフの一つであり、光一が剛にそっとキスをするシーンも話題となった。

ほかにもKinKi Kidsの2人がそろったドラマとしては、1996年放送の引き離された異母兄弟役を演じた『若葉のころ』(TBS系)や、1997年放送のバイオハザードにより子どもだけが生き残るディストピア世界を描いた『ぼくらの勇気 未満都市』(日本テレビ系)が知られる。

バラエティ番組も忙しかったKinKi Kids


ドラマばかりでなくバラエティも忙しかった。1996年10月の改編では、『それ行けKinKi大放送』(日本テレビ系)、『まけたらアカン!』(フジテレビ系)、『Toki-kin急行 好きだよ!好きやねん』、『バリキン7 賢者の戦略』(ともにTBS系)と4つのレギュラー番組がスタートしている。

ジャニーズタレントは少年期からテレビ出演をこなしているとはいえ、17歳の彼らにとっては多すぎる仕事量ではなかっただろうか。事実、無理がたたったのか、これらの番組の多くは半年から1年ほどで終了し、短命に終わっている。

そしてKinKi Kidsは、1997年5月に念願のCDデビューを果たした。その後、1998年10月には『LOVE LOVEあいしてる』(フジテレビ系)がスタート。このKinKi Kidsによる音楽バラエティは『堂本兄弟』(のちに『新堂本兄弟にリニューアル』)に引き継がれ、2014年9月まで続く長寿シリーズとなった。
今にして思えば、ミュージシャンとしてのKinKi Kidsが、彼らの一番落ち着ける場所であったのかもしれない。