12月6日、ほっしゃん。こと星田英利が、所属先であるよしもとクリエーティブエージェンシーと芸能界引退の話し合いをしていると明かし、その後すぐに発言を撤回したことで話題になりました。

自らのインスタグラムで「夏からずっと(引退の)相談していた」とコメントしたかと思えば、舌の根も乾かぬうちに「ひたむきに頑張ります」と決意表明。その切り替えの早さに世間は困惑。一体、本意はどこにあるのか……謎は深まるばかりです。

1991年に活動開始した吉本印天然素材


なお、発言撤回前のインスタはこう締めくくられていました。「27年。…凄い」。自身の長きに渡る芸能生活を振り返り、感慨深い気持ちになっているのが伝わってくるというものです。
彼のキャリアの起点は、1990年。宮川大輔とのコンビ『チュパチャップス』としてデビューしたときから始まります。その翌年には『吉本印天然素材』への参加が決定。笑いとダンスを融合させた芸人集団して、当時、アイドル的人気を誇ったユニットです。

後楽園ホールが若い女の子で満員になるほどの大人気


ジャニーズ顔負けなガチの写真集を出したり、恋人の存在をひた隠しにしたりと、一部芸人のアイドル化が進む昨今。「イマドキの芸人は…」と苦言を呈する向きも多いようですが、こうした女性人気を意識した売り出し方は昔からあり、『吉本印天然素材』こと『天素』も、そんなグループの一つ。そのメンバーの構成は以下の通りです。


■雨上がり決死隊(宮迫博之・蛍原徹)
■ナインティナイン(岡村隆史・矢部浩之)
■FUJIWARA(藤本敏史・原西孝幸)
■バッファロー吾郎(木村明浩・竹若元博)
■チュパチャップス(星田英利・宮川大輔)
■へびいちご(島川学・高橋智)

上記のように、今も第一線で活躍を続ける売れっ子がズラリ。こうしたポテンシャルを秘めた若手の集合体だったためか、その人気はすさまじいもので、2000人キャパの後楽園ホールでのライブが満員になり、会場には黄色い声援が飛び交っていたといいます。
また、早くから日テレで『吉本印天然素材』というグループ名を冠した番組を持つなど、若手としては破格の待遇を受けていました。ちなみに、この『吉本印天然素材』の後継に、日曜夕方の30分番組として始まったのが、現在も続くナイナイの看板番組『ぐるぐるナインティナイン』です。

ピコ太郎も…天素を模倣したアイドル芸人ユニットに参加


また、彼らの成功を模倣しようと、他の事務所も若手芸人主体のアイドル的ユニットを結成していきます。
松竹芸能は、ますだおかだ・TKO・よゐこらと『松竹印人工素材(略称は『じんそ』)』を。太田プロ・ナベプロを含めた東京にある4つのお笑い系事務所は、くりぃむしちゅーやピコ太郎こと古坂大魔王のコンビ、底ぬけAIR-LINEらと『東京ギャグファクトリー』を立ち上げるも、芳しい成果は得られず。結局、天素の一人勝ち状態でした。

12人全員が未だに現役で活躍中


そんな大人気だった天素ですが、事務所主導のプロジェクトだったということもあり、アイドルとしての扱いを受け入れなかった者もいるようです。
ナイナイの矢部もその一人。まじめにダンスを覚えようとしないばかりか、当時、レッスンを担当していた、後にモー娘。の振付師として有名になった夏まゆみ先生に悪態をつきまくり、ついには、泣かせて帰らせてしまったといいます。

こうした紆余曲折もありながら、1999年まで活動を続けた天素。
近年は、2015年に放送された『FNS27時間テレビ』で、一夜限りの復活を果たすなど、再び、注目を浴びていました。
特筆すべきは、先ほどあげたメンバーのうち、1人も芸人を辞めていないこと。ほっしゃん。も引退を撤回したことですし、またいつか12人揃ってのパフォーマンスを見てみたいものです。
(こじへい)

※イメージ画像はamazonより吉本印天然素材DVD第一集
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