盛り上げて来た準決勝は2ページで終了! まさかの打ち切りへ…
しかし、翌年には勢いに早くも陰りが見え始める。95年には中盤掲載が、96年夏頃には下位掲載が定位置に。そして、巻末掲載が当たり前となった97年、最終的には打ち切りで連載終了。結末はコミックスで補完される形となってしまった。
翼が完全無欠すぎてチームプレイがないがしろの試合展開、「初代」の強敵キャラのかませ犬化、新キャラの能力のインフレ等々、挙げればキリがないほどに不満が山積み。『特別編』の頃から散々あおって来たオランダユースとの準決勝が、見開き2ページの結果報告のみで終わったのを始め、未消化部分も多く、正直評価は芳しくない。
『キャプ翼』に続く作品もあっさりと打ち切りに…
国民的人気作品の続編でさえ打ち切りになってしまうのだから、本当にジャンプは容赦がない。
翌98年13号から始まった『ホイッスル!』が中堅作品として奮闘する中、『キャプ翼』の高橋陽一先生が復活。99年13号より『蹴球伝 フィールドの狼 FW陣』がスタートとなる。
高橋先生は、『キャプ翼』でMF(ミッドフィルダー)人気が爆発したことを受け、今度はこの作品でFW(フォワード)人気を高めようと野心に燃えていた。
『キャプ翼』の日向小次郎ライクな風貌の主人公は、性格も日向の傲慢な部分のみを煮詰めたようなキャラで好感度ゼロ。さらに、主人公以外の家族が全員事故死という鬱展開。
『キャプ翼』とは違う方向性を目指した結果、まったく共感を得ない内容となってしまったのだ。結果、わずか17回で打ち切りに。ラストには翼たちがゲスト出演するが、そのファンサービスが逆に切なかった…。
以降のジャンプサッカー漫画が総倒れ状態なのは前述の通りだ。そんな中、今年も新連載(2016年52号より)『オレゴラッソ』が始まった。
ポテンシャルは高いがズブの素人の「俺様キャラ」が主人公で、美女に誘われて成り行きで入部と、『SLAMDUNK』を彷彿とさせる流れ。まだ始まったばかりだが、ジャンプ愛読30年以上の筆者的には、大化けの予感がビンビン。
ジャンプ鬼門のサッカー漫画、人気作品となるか注目だ。
※イメージ画像はamazonよりキャプテン翼 (ワールドユース編12) (集英社文庫―コミック版)