明石家さんまのプロデュースにより、ジミー大西の半生が「Jimmy ~アホみたいなホンマの話~」としてドラマ化される。ジミー役を演じるのは中尾明慶。
インターネット上のストリーミング配信サービス「Netflix」において、2017年夏に配信される。

ジミー大西の天然エピソード


ジミー大西は、ぼんちおさむに弟子入り後、1982年に芸人デビュー。その後、明石家さんまと出会い運転手を務める。ジミーは免許がなかったため合宿免許へ向かうが、通常、2週間で取得できるところ、半年もかかってしまう。さらに漢字の読み書きができず、筆記試験をパスできなかったという。

このほかにも、入院時に点滴が面倒くさいので飲んだ、車のワイパーの動きで催眠術にかかったかのように眠くなってしまう、といったジミー大西の天然ボケのエピソードは数多い。
その言動が、あまりに常軌を逸しているため、萩本欽一に「チャップリン以来の天才」と勘違いされたほどだ。

岡本太郎が絶賛したジミー大西の才能


そんなジミー大西は90年代に2つの顔を持つことになった。ひとつはデビューから続く芸人としての顔。もう一つは画家としての顔だ。

きっかけは『EXテレビ』(日本テレビ系)だった。この番組は、平日深夜に放送されていた生放送の帯番組である。東京の日本テレビと大阪の読売テレビが曜日ごとに制作を担当し、大阪では上岡龍太郎と島田紳助が司会を務めた。
その中で、ジミー大西に絵を描かせてオークションにかけたところ、意外にも33万円の値段がついてしまった。
ジミーは『EXテレビ』では珍発言を繰り返す“アホキャラ”として扱われており、絵においても同様の扱いを想定したものの、まさかの結果が出てしまった。

さらにジミー大西の絵を岡本太郎が絶賛したことにより、1996年に芸能界を引退し、本格的に画家転向を果たす。岡本太郎は同年に没しているので、最晩年に才能を見出されたことになる。

バラエティ番組へ復帰したジミー大西


ジミー大西が手がけた主な作品は第一勧業銀行(現・みずほ銀行)のキャッシュカードや、フランス産のワインであるボジョレー・ヌーボーのラベルといったもの。ジミーの画風の特徴は、鮮やかな色彩感覚を駆使したのびやかな筆致である。
当然ながらジミーは美術教育を受けておらず、自己流である。その点がかえって評価されたのかもしれない。

ジミー大西は近年、バラエティ番組へ復帰しており、特にダウンタウンの番組への出演が多い。ダウンタウンにとってジミーは厳密にいえば半年先輩にあたるが、ほぼ同期といってよく「ジミーちゃん」の愛称で親しまれている。

人生の節目ごとに、岡本太郎、明石家さんま、ダウンタウンといったレジェンドたちと出会ってきたジミー大西は、人との出会いに恵まれていたとも言えるだろう。

※イメージ画像はamazonよりhtwi(ヒッティ)NO.9 アーティスト、ジミー大西の軌跡―アートマガジン
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