今年も大学受験の季節がめぐってくる。1月のセンター試験にはじまり、私立、国公立大学入試の時期が続く。


テレビ番組のバラエティ企画では、大学受験は多く取り上げられてきた。『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』(日本テレビ系)の「勉強して東大に入ろうね会」などはよく知られているだろう。
そして時に、芸能人が大学受験に挑む企画もあった。今回は90年代の大学受験企画をふりかえってみたい。

早稲田大を受験した岡村隆史


ナインティナインの岡村隆史は、1999年に『めちゃ×2イケてるッ!』(フジテレビ系)において大学受験を行っている。きっかけは、同番組の名物企画「ヨモギダ少年愚連隊」シリーズにおける、ヨモギダ君の受験。岡村は彼に対抗するべく、大学受験を行ったのだ。

志望校はヨモギダくんに同じく、第一志望は国立の難関大である筑波大学を目指した。さらに、第二志望として、女優の広末涼子が推薦入試で合格し話題となっていた早稲田大学に狙いを定めた。

岡村は各科目ごとに一流大学に通う家庭教師をつける万全のバックアップ体制で挑むものの、センター試験で惨敗してしまう。数学にいたってはわずか4点というありさまだった(それでも事前予想は0点)。その結果、センター試験の点数が足りず、筑波大学は“足切り”にあってしまう。

そこで、志望を早稲田大学へ絞り、勉強を続けた岡村。
岡村が受験した第二文学部には、試験科目に小論文があるのだが、その年のテーマは「笑いについて」であった。
これは、事前に予想もしていなければ、仕込みでもない。岡村にとっては最適といえるテーマである。まさに笑いの神様が降りてきた瞬間だろう。だが、健闘もむなしく早稲田も不合格。岡村の受験企画は全敗という結果に終わった。


日芸の一次試験を突破した内村光良


全敗に終わった岡村に対し、合格を勝ち取りかけた芸人もいる。それがウッチャンナンチャンのウッチャンこと内村光良だ。90年代の初頭に『ウンナン世界征服宣言』(日本テレビ系)において、「日芸合格への道」なる企画に挑戦した。
この番組のコンセプトは、ウンナンの2人がさまざまな難関をクリア(征服)してゆくというもの。もともと映画監督志望で上京したウッチャンが、日本大学芸術学部の映画学科を目指すことになったのだ。

日大芸術学部の試験は一次と二次がある。
一次は国語と英語の学科試験で、二次試験は各学科ごとの実技、面接である。ウッチャンは見事、一次試験を通過するも、二次試験の面接で求められた「完全に芸能人をやめて学業に専念する」条件が果たせず、進学は断念している。

大学受験企画の醍醐味は、試験の結果が“ガチンコ”である点だろう。ほかの受験生と同様に、受かるか落ちるかの二択しかないため、そこにドラマが生まれるのだ。

※イメージ画像はamazonより内村光良ぴあ (ぴあMOOK)