1996年にスタートしたとんねるずの石橋貴明と元SMAPの中居正広がMCを務めていた音楽番組『うたばん』。単なる音楽番組ではなく、石橋と中居によるトークコーナーが名物で、ここから数々のアーティストたちが個性あふれるキャラクターを開花させ、バラエティへと活躍の場を広げた。

そこで、アイドルからバラドルへと変貌を遂げたアーティストを紹介しよう。

生粋のアイドルからバラドルへと躍進したモーニング娘。


石橋の恰好の餌食となったのは、当時のトップアイドルだったモーニング娘。特に飯田圭織と保田圭がターゲットとなり、女芸人並みの扱いを受けていたのだ。

飯田は、なぜか、番組内でジョンソンと呼ばれていたのだが、これは、野球好きの石橋から元巨人の助っ人外人選手デービー・ジョンソンと適当にあだ名をつけられたのが始まり。石橋に過剰に『抱いてHOLD ON ME』の飯田のソロパートの顔真似をされたり、中居に尻をけられたと、アイドルらしからぬ扱いを受けていた。

また、保田圭もターゲットとなり、“ほった”と呼ばれたり、自身の手紙をシュレッダーにかけられたり、持参した弁当をディスられたりと散々な扱いを受けていた。

弄り倒されたELTの伊藤一朗こといっくん


それまでは地味な存在だったにも関わらず、この番組をきっかけに、弄られキャラとしての地位を確立させたEvery Little Thingの伊藤一朗こといっくん。番組では、いっくんのために毎回様々な企画が立てられた。

ある回で行われたのは、いっくんが自ら持ち込んだというマジックショー。ノリノリで華麗なマジックを披露していたのだが、実はドッキリだったという企画。最後の瞬間移動マジックで用意されたマジックの箱が小さすぎて入れず、いっくんはどういった行動に出るかという「いっくん観察クイズ」だったのだ。健気に一生懸命入ろうとするいっくんに、観察していた石橋や中居、持田は大爆笑。
この番組をきっかけに、多くのとんねるずの番組にも呼ばれるようになった。

先輩中居をディスる! 嵐・大野との下剋上バトル


こちらも名物となったのが嵐・大野との下剋上バトル。先輩である中居に対し、タメ口でdisるのが恒例となった名物シーン。

大半が石橋による吹き込みのものだが、中居が「お前がちっちゃいときからSMAPやってんだよ!」というと、「今でもちっちゃいじゃないか!」大野が反撃。石橋が「中居くんはカッコ悪いとき無いっていうけど、そんなことないよね」とふると、大野が「普段がカッコ悪いもん」とディスる。中居が「もう、もめるのはやめようよ! 子供じゃねぇべ」と和解を求めるものの、大野が「中居も33だからな」と挑発するように答えていた。


アーティストのプライベートな姿を引き出し、さらなる魅力を引き出した『うたばん』。2010年に惜しまれながらも幕を閉じたが、いまだに復活を願う声も多いようだ。
(松庭直)


※イメージ画像はamazonより発掘!あるある大事典〈3〉