普段、何気なく食べている「もやし」には、大きく分けて3種類ある。一般的なのが「緑豆もやし」、やや細い「ブラックマッペもやし」そして豆がついている「大豆もやし」だ。
この3つのもやしには、どのような違いがあるのだろうか。
もやし生産者協会に、大豆もやしと他の2つのもやしの違いを聞いてみた。
もやしとは、そもそも何なのか
「もやし」は生活の中で割と多く親しんで使う言葉である。ラーメンのトッピングにする、「もやしッ子」「もやしダイエット」など身近にも使うシーンは多い。しかし、もやしそのものの実態は、それほど理解しているわけではない。
そもそもなぜ「もやし」という名なのか、もやし生産者協会に聞いてみた。
「もやしは植物の固有名称ではなく、主に穀類や豆類の種子を暗所で水に浸して発芽、成長させたものです。名の由来は、『芽し』『萌し』からきています」
もやしは主に3種類
暗い場所でスクスク育つもやし。主に3種類あるというが、どう違うのだろうか。
●緑豆もやし
用途:ラーメンや炒めもの、鍋など。
特徴:国内では9割ほどを占める。やや太めでくせのない味。
●ブラックマッペもやし
用途:ラーメン、焼きそば、お好み焼き、おひたしなど。
特徴:緑豆もやしよりやや細い。
●大豆もやし
用途:炒めもの、ナムル、スープ、鍋など。
特徴:豆がついたまま食べる。味が独特。
もやしにも種類があり、味の違いがあったとは驚きだ。なかでも気になるのが大豆もやしだ。一体、どんな味がするのだろうか?
大豆もやしはすごいらしい
工業組合もやし生産者協会に設置された、大豆もやしを普及させることを目的とした委員会「大豆もやし普及委員会」によれば、もやしのなかでも特に大豆もやしがイチオシだという。その理由を聞いてみた。
「大豆もやしは、緑豆もやし・ブラックマッペもやしよりも、茎の部分が繊維質でやや硬さを感じます。そのシャキシャキ感に加え、大豆の部分のコリコリ感も特徴的です。
グルタミン酸やアスパラギン酸が豊富なことから、独特の旨みがあることも大きな魅力です。その大豆もやしの出汁(旨み)を楽しむにはスープや鍋物が最適です」
●「大豆もやし」が他の「緑豆もやし」や「ブラックマッペもやし」と比べて優れている点
1.グルタミン酸やアスパラギン酸が豊富なため旨みがある。
2.大豆由来のたんぱく質・イソフラボン・サポニン等の機能性成分が豊富。
3.カリウム・ビタミンK・葉酸・各種アミノ酸が豊富。
大豆もやしは、その食感、味、栄養などさまざまな点で魅力的であったようだ。ぜひスーパーなどでもやしを買うときは、この違いを見極めてみよう。
(石原亜香利)
取材協力
■工業組合もやし生産者協会
日本のもやし生産者で構成する認可団体。
http://www.moyashi.or.jp/
■大豆もやし普及委員会
大豆もやしを普及することを目的として工業組合もやし生産者協会に設置された委員会。
http://www.moyashi.or.jp/committee/