「お父さん」と呼ばれるのは不快? テレビのインタビューも議論の的に

50代男性の投稿者は、見ず知らずの店員や警官に何かを訪ねた際に「お父さん」と言われるのが不快でたまらないらしい。「他になんか言いようないんか? いちいち『君のお父さんと違うで!』というと、その場の雰囲気が一瞬止まる。言う方も、なんと言っていいのかわからんのと思うけど…。なかには独身もおるやろし。なんか、弱者で見下された気にもなる」と綴っている。
この投稿に対し、「その気持ち分かります」「居心地が非常に悪い。身分詐称っぽくて」「分かる。逆の立場で、見知らぬおばあさんをちょっと助けようしたときに、『おばあちゃん大丈夫?』と声をかけようか迷ってしまう」と共感の声が。
テレビ番組のインタビューなどでもよく聞くこの「お父さん」「お母さん」といった呼び方。質問サイトなどでも以前から議論の的になっており、「私も嫌です。たとえ『お姉さん』でも、そう呼ばれるのは嫌です」「テレビで呼んでるのは親しみやすさの演出だと思うけど、警察に『お母さん』と呼ばれたのは馴れ馴れしくて嫌だった」と、やはり不快感を覚える人は多い。
一方で、「じゃあ『おじさん』『おばさん』って呼ぶの? それも失礼じゃない」「日本語って、誰にでも通用する呼称ってなくないですか?」と困惑する人も。
そもそも「お父さん」「お母さん」じゃないんだけど…
「そもそも結婚してないからなあ…」「年配者でも子どもがいないとか、子どもを失ったとかでお父さんでない人はたくさんいる」という声もあるように、過去に比べて日本人の生涯未婚率(50歳時点で一度も結婚したことのない人の割合)は大幅に高くなっている。内閣府男女共同参画局によると、1950年の生涯未婚率は男女ともにわずか1.5%だったのが、1990年あたりから急激に上昇。2010年には男性が20.1%、女性が10.6%を記録した。
また、たとえ結婚していても子どもがいないため「お父さん」「お母さん」ではない人の割合も決して低くはない。内閣府の「国民生活白書」によると、1970年、1980年、1990年、2000年で子どものいる世帯の比率は67.4%、69.4%、63.3%、53.2%と減少傾向。軽々しく「お父さん」「お母さん」と呼ぶのは止めておくのが賢明かもしれない。