2005年11月に発売、その年の唯一のミリオンセラーになったのが山下智久と亀梨和也によるユニット“修二と彰”の『青春アミーゴ』だ。
ドラマ『野ブタ。
をプロデュース』の主題歌で、その年の忘年会ではオジサマたちにも多く歌われ、2006年には選抜高校野球の入場行進曲になるなど、幅広い年代から人気を得て、社会現象にまでなった。

その『青春アミーゴ』のCDはDVD付きで販売されなかったため、PV映像は一般の手には入らない幻の存在。そのPVのバックで踊っていたJr.も、今となってはトップアイドルになっているのだからなおさらだ。

亀梨(修二)の弟としてドラマにも出演した中島裕翔


PVで亀梨と山下の間に入り、バックダンサーの中でもひときわ目立つ存在が、現在Hey!Say!JUMPで活躍している中島裕翔だ。

中島は当時12歳、『野ブタ。をプロデュース』に亀梨(修二)の弟役でドラマにも出演していた。現在は高身長で端正な顔立ちのイケメンだが、当時は小柄で頬がふっくらしたあどけない丸顔だった。
高校時代に急激に身長が伸びたこともあって、一見して同じ人物とは思えない変わりようだ。

中島は2004年にジャニーズ事務所に入所して、まもなくJ.J.Expressのセンターに抜擢された。同年、TOKIOの『自分のために』のPVに出演。2005年には木村拓哉主演の『エンジン』(フジテレビ系)、続いて『野ブタ。をプロデュース』に出演した。常に目立つ位置にいたエリートJr.だった。


その後もコンスタントにドラマに出演し、『弱くても勝てます〜青志先生とへっぽこ高校球児の野望〜』(日テレ系)では二宮和也と共演するなど、ジャニーズタレントとの共演は多いが、けっしてバーターに甘んじていたわけではない。
2013年『半沢直樹』(TBS系)で新人サラリーマン役を好演し、ジャニーズの匂いがない自然体の俳優として注目を集めるようになった。

さらに2014年に『水球ヤンキース』(フジテレビ系)、2016年にはゴールデンタイムの『HOPE~期待ゼロの新入社員~』(フジテレビ系)、スペシャルドラマ『刑事バレリーノ』(日テレ系)とドラマに次々と単独主演。映画では加藤シゲアキ原作の『ピンクとグレー』で初主演、2017年にも主演作『僕らのごはんは明日で待ってる』が公開された。
あどけない少年から精悍な青年へと見事に脱皮し、今後の俳優業も楽しみな逸材だ。

Hey!Say!JUMP山田涼介も出演していた


『青春アミーゴ』のPVには、中島のように目立ってはいないものの、Hey!Say!JUMPの孤高のセンター、山田涼介も出演している。

実は、中島裕翔と山田涼介は因縁の関係だ。Hey!Say!JUMPのデビューシングル『Ultra Music Power』では中島がセンターを務めたが、2008年のセカンドシングル『Dream comes true』では山田がセンターに。同年、山田と中島、そして知念侑李と有岡大貴も出演した『スクラップ・ティーチャー~教師再生~』(日テレ系)の主題歌で4作目のシングルとなった『真夜中のシャドーボーイ』からは山田のセンターポジションが確立され、中島とポジションが入れ替わった。

山田と中島の位置が変わったのは、山田が並々ならぬ努力をしたこと、中島の身長が急激に伸びてセンターとしてバランスが悪くなったことが理由に挙げられる。
当時はお互いに複雑な思いを抱えていたことがのちのインタビューなどで語られ、山田は「初めて意識したライバル」として、テレビや雑誌などで中島の名を挙げている。

しかし、2012年にはドラマ『理想の息子』(日テレ系)に親友役で共演、お互い大人になるにつれ気持ちも整理され、関係は修復されていった。今はライブで仲の良さをアピールするほどだ。


『青春アミーゴ』な関係性は今も良好


『青春アミーゴ』のPVには、2011年にCDデビューしたKis-My-Ft2(キスマイ)の北山宏光、藤ケ谷太輔、千賀健永、二階堂高嗣も出演。
藤ケ谷は亀梨と同期であり、ややデビューが遅れたが、“ベストジーニスト”で3年連続1位をとるなど一気にスターの座に。亀梨とも仲が良く、亀梨家の新年会に呼ばれるほどだという。

そして、昨今、金髪の“塚ちゃん”としてバラエティ番組で活躍しているA.B.C-Z(当時はA.B.C)の塚田僚一もPV中でアクロバットを披露。塚田も亀梨と同期入所だ。

時期やグループこそ違えど、それぞれにデビューを果たして活躍しているPV出演メンバー。同期、先輩、後輩の下克上やライバル関係、追い越したり追い越されたりと、傍目にはいろいろあるように見えるが、どのアイドルたちも『青春アミーゴ』としていい関係を保っている。
(佐藤ジェニー)
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