匿名で記事を投稿できるウェブサービス「はてな匿名ダイアリー」に「貧乏な友人ともう一緒に遊べない」という少々衝撃的なタイトルの記事が登場した。
大学卒業後の進路の違いで金銭感覚にズレが生じ、以前のような関係ではいられないことを綴ったもので、SNSなどネット上で反響が多数上がっている。


貧乏な友人と「もう遊べない」と感じた理由


「貧乏な友人ともう一緒に遊べない」に賛否 卒業後に金銭感覚ズレた友人とどう付き合う?
画像はイメージです。

投稿者は大学卒業から5年経ったある日に大学時代の友人と遊んだのだが、「もう彼女と昔と同じ感覚で遊ぶことはできない」と思ってしまったという。その友人とは貧乏な大学時代を共に「お金がないお金がない」と言いながら、学内の食堂や、ドリンクバー付きのファミレスをたまり場にして過ごしていた仲。

しかし今の投稿者は正社員、友人は派遣社員で給与はおよそ2倍の差があるそう。ボーナスなしで、残業代で生活費を稼ぐわけにもいかない。これにより金銭感覚が大きくズレてしまったというのだ。「もう彼女と昔と同じ感覚で遊ぶことはできない」と書いている。

友人はランチにドリンクをつけるかどうかで5分以上悩み、結局ドリンクをつけないうえ、歩き疲れていてもカフェの値段に文句を言うそうだ。ドトールに行くことにこだわり、少し値段の張るカフェを紹介すると「露骨に嫌な顔をされた」という。

投稿者は「ドトール」が嫌なわけじゃないし利用もすると言っている。だが、「1年ぶりに会う友人と談笑するために行くお店にしては、非日常感がないし、たばこのにおいは感じるし、いささか心がときめく場所ではない」としている。
せっかく久々に会って遊んでいる時に「お金がないお金がない」と言い続ける友人に失望してしまったようだ。「二人で価値観をすり合わせて『遊ぶ』ことは、学生時代はともかく、今ではもうできないのだ」と複雑な胸中を綴っている。

この投稿に共感する人が続出し、「いい大人が友人と交遊するのに10円レベルをケチケチしてたら興醒めもいいとこ」「自分が書いたのかな? と思うくらい全く同じ状況になったことがあります」といった声が上がった。
一方で、一年ぶりに会う友人なのだから、「それぐらいおごってやれよ」という意見も少なくない。

2ちゃんねるの「コピペ」を思い出す人々


「貧乏な友人ともう一緒に遊べない」に賛否 卒業後に金銭感覚ズレた友人とどう付き合う?

この投稿内容を読んで、フリーターの友人との関係を記した「2ちゃんねるコピペ」を想起したという声も多い。前述の匿名ダイヤリーの投稿と同じく、就職を機に生じた友人と自身の金銭感覚のズレについてつづられた、ネット掲示板「2ちゃんねる」への投稿だ。

「なあ、お前と飲むときはいつも白○屋だな」から始まるこの書き込み。友人といつも飲む白木屋で交わした会話をもとに、二人の関係の変化を回想をしていく。はじめて一緒に飲んだとき投稿者は貧乏浪人生で、友人は月20万稼ぐフリーター。「俺は、毎晩こういうところで飲み歩いてるぜ。金が余ってしょーがねーから」と友人に言われおごってもらったという。
投稿者が大学を卒業し、初任給22万円だったころ。相変わらずフリーターの友人は月30万円稼ぎ「社長の息子も、バイトまとめている俺に頭上がらないんだぜ」と白木屋で胸を張る。

それから十年たってからも、飲む場所は変わらない。だが「こうして、たまにお前と飲むときもやっぱり白○屋だ。
ここ何年か、こういう安い居酒屋に行くのはお前と一緒のときだけだ」とつづり、本来であればもっと値の張る店を知っているはずの年齢だが、「お前がポケットから取り出すくしゃくしゃの千円札三枚を見ると、俺はどうしても『もっといい店行こうぜ』って言えなくなる」という。

ここからラストはさらに辛らつだ。
「お前が前のバイトクビになったの聞いたよ。お前が体壊したのも知ってたよ。新しく入ったバイト先で、一回りも歳の違う、20代の若いフリーターの中に混じって、使えない粗大ゴミ扱いされて、それでも必死に卑屈になってバイト続けているのもわかってる。だけど、もういいだろ。十年前と同じ白木屋で、十年前と同じ、努力もしない夢を語らないでくれ。そんなのは、隣の席で浮かれているガキどもだけに許されるなぐさめなんだよ」

この手の投稿は、どう反応するかで、読み手の年齢や金銭事情があぶりだされるようになっている。
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