我が国・日本において、こんなふうに「理想の身体になりたい」というニーズは、長らく存在し続けてきました。
70年代は『紅茶きのこダイエット』や『ぶら下がり健康器』がブームとなり、80年代に入ると『朝食リンゴダイエット』『エアロビクス』が登場。90年代は『ボクササイズ』『ラップダイエット』『唐辛子(カプサイシン)ダイエット』などがメディアで取り上げられてきました。
ちょっと前まで流行っていた『DHCプロティンダイエット』
2000年代以降も、『アブトロニック』『ロデオマシンダイエット』『レコーディングダイエット』『朝バナナダイエット』『ワンダーコア』など、雨後の筍のごとく登場しては消えを繰り返している、ダイエット法とその関連器具。
現在だと、「結果にコミットする」でおなじみの『RAIZAP』のCMが大流行していますが、ちょっと前までは『DHCプロティンダイエット』が、友近やハイキングウォーキングのQ太郎を起用して、印象的な宣伝を繰り広げていたものです。
きっとあと数年もしたら、また新しいダイエット法が開発され、メディアを賑わせていることでしょう。
デューク更家、樫木裕実……次々と登場する名物トレーナー
さて、2000年代のダイエットにおける特徴の一つに、そのトレーニング法をレクチャーする名物トレーナー・提唱者の台頭が挙げられます。
具体例としては、ウォーキングエクササイズのデューク更家、モムチャンダイエットのチョン・ダヨン、カーヴィーダンスの樫木裕実、ロングブレスダイエットの美木良介など、枚挙に暇がありません。
その中でも特に異彩を放ったのが、 『ビリーズブートキャンプ』の“ビリー隊長”ことビリー・ブランクスでした。
米倉涼子、上戸彩、福山雅治もやっていた『ビリーズブートキャンプ』
人は皆、有名人御用達の商品・サービスに心惹かれるもの。先に挙げた『RAIZAP』『DHCプロティンダイエット』も、芸能人をモニター兼広告塔に登用したことで、大ブレイクにつながったのは言わずもがな。
この『ビリーズブートキャンプ』も例外ではありません。
米倉涼子、上戸彩、福山雅治、沢尻エリカ、志村けん、劇団ひとり、倖田來未、内田恭子、品川庄司、比嘉愛未など、さまざまな芸能人が「これはいい!」と公言したことで、注目を浴びるようになったのです。
かなりハードだったトレーニングメニュー
もっとも、このエクササイズが社会現象的人気を博したのは、米軍の新人向け基礎訓練『ブートキャンプ』をベースに、ビリー隊長が独自に考案した運動法が、あまりにもユニークだったというのが最大の要因でしょう。
DVDの映像に従って身体を動かす7日間の減量プログラムは、見ている分にはとってもコミカル。
しかし、実際やってみるとかなりハード。
「君ならできる!」ビリー隊長のアツい叱咤激励も話題に
そんな疲弊した状況で飛んでくるのが、ビリー隊長による叱咤激励。「お遊びのつもりか!」「疲れても続けろ!」という厳しめのメッセージもあれば、「君ならできる!」「辛かったら、休んだっていいんだぞ!だが、必ず戻ってこい!」などの愛に溢れた言葉もあり、まさにアメとムチ。
このビリー隊長の優れた指導により、今までダイエットを途中でリタイアしていたという人でも減量に成功した例が多々あるそうです。
こうして、軍事訓練を応用したトレーニングという新しさ、タレントの口コミ、ビリー隊長のキャラの面白さによって、2000年代中ごろに一大ブームとなった『ビリーズブートキャンプ』。
現在61歳となったビリー隊長は、アメリカでエアロビのインストラクターをしているとのこと。いつの日か、また彼の活動が、日の目を浴びることを期待したいものです。
(こじへい)
※イメージ画像はamazonよりBasic Training Bootcamp [DVD] [Import]