連続テレビ小説「ひよっこ」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)
第6週「響け若人の歌」第33回 5月10日(水)放送より。 
脚本:岡田惠和 演出:田中正
「ひよっこ」33話。男たちの素性が気になる
イラスト/小西りえこ

33話はこんな話


乙女寮、月曜の夜はコーラスの日。みね子(有村架純)がはじめて「トロイカ」を歌い、そのあと、フレンチトーストを食べていると、綿引正義(竜星涼)が、血相変えて走り込んで来た。


警官に驚く歌の先生


33話は乙女たちだけでなく、男の人たちにスポットが当たった。

まず、幸子(小島藤子)の恋人で、コーラスの先生・高島雄大(井之脇海)。
乙女たちは、彼の上着が「大きい」「大きい」と気にする。
彼に上着をくれた大男の先輩ってどんな人なんだろうか。今後登場することはあるだろうか。

そして、乙女寮の食堂のおじちゃん・和夫(陰山泰)。
料理はできるは、バイヤン(アコーディオンのような楽器)も弾けるは、なんか才能がある人みたい。


乙女たちも気になっているようで、
豊子「いったい何者だべか」
時子「謎だよね」と口々に。

最後は、警察官・綿引正義(竜星涼)。
「トロイカ」の歌に乗って、全速で走ってきた(ちょうど歌詞が「走れ、トロイカ♪」のところ)。お父さん(沢村一樹)を見かけたという情報を早く伝えたい一心で。その場面、なんかカラオケのイメージ映像みたいになっていた。

気になるのは、正義が警察だとわかると、身を隠す雄大。
何かやましいところがありそう。

32話の幸子の証言から考えると、雄大はバリバリの共産主義者なのか。
それとも、じつは大きな上着を盗んだのか・・・いろいろ妄想が広がります。歌も楽しいけど、妄想も楽しい。

ロシア民謡ですよ、お父さん


歌の力に魅せられて、コーラスがすっかり楽しくなるみね子。
トロイカとバイヤンについて、ロシア文学で得た知識を、みね子たちに披露する豊子。
理屈ぽい性格といい、共産主義に傾倒していく可能性もありそうだが、どうなるんだろう。
演じている藤野涼子は、「ザテレビジョン」の記事によると「アンナ・カレーニナ」などのロシア文学を読んで役作りしているらしい。凄い。

このまま、みね子たちが革命に参加する話に突入していったらどうしよう(どうもしないし、たぶん、ならないだろうけれど)。

それよりなにより、お父さんの行方が気になる。
(木俣冬)