朝ドラ『カムカムエヴリバディ』最終週「2003-2025」

第108回〈4月4日(月)放送 作:藤本有紀、演出:安達もじり〉

朝ドラ『カムカムエヴリバディ』和子に木暮…るいとジョーを支えた人たちとの感動の再会に涙腺崩壊
写真提供/NHK

※本文にネタバレを含みます

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竹村和子、きたーー

いよいよ最終週。親子3代、100年の物語はどのように決着するのかとドキドキしていると、冒頭、「ディッパーマウスブルース」を老いたるい(深津絵里)錠一郎(オダギリジョー)が侵略していてびっくり。侵略は冗談だが、自分の家みたいに珈琲とあんバタートーストをこさえている。

【レビュー一覧】朝ドラ『カムカムエヴリバディ』のあらすじ・感想(レビュー)を毎話更新(第1回〜108回掲載中)

どうやら時代はコロナ禍。るいに電話をかけてきたマスクのひなた(川栄李奈)はバリキャリっぽい雰囲気になっていて、外国と日本、東京と京都と、あちこち行き来して活躍している様子である。「どっち帰るの? 東京? 京都?」(るい)って、関空に着いたなら京都に決まっているだろうと視聴者にツッコミさせるスタイル(たぶん)。

それはさておき、るいに「朝ドラの時間やで」でと促され、錠一郎がテレビのリモコンをつけると『カムカム』のタイトルバックに。彼らがここで観る朝ドラは2022年の『カムカムエヴリバディ』だろうか。ニクい演出。

主題歌明けは2003年のクリスマス頃に戻る。『カムカム』には珍しく時系列ではない『いだてん』的進行である。ハリウッド大作『サムライ・ベースボール』が2004年にいよいよ公開。アニー(森山良子)は日本に来たものの東京で、ひなたはジョージ(ハリー杉山)にクリスマス・フェスティバルのチケットを手渡す。

そしてフェス当日。トミー(早乙女太一)とジョーとるいが「ディッパーマウスブルース」にやって来る。るいの着ているコートが可愛い(深津絵里の着ているものはみな可愛い)。「ボイトレするから」と緊張MAXのるい。彼女はいつまでも多感な少女のようである。

朝ドラ『カムカムエヴリバディ』和子に木暮…るいとジョーを支えた人たちとの感動の再会に涙腺崩壊
写真提供/NHK

「クリスマスの偕行社は日本のニューオリンズですよ」(慎一 / 前野朋哉)と舞台は運命の偕行社へ。そこはニューオリンズというか過去と現在が入り混じった鍋のようになる。

るいとジョーを励ますために続々とやって来るなつかしい人たち。老いた竹村和子(濱田マリ)、車椅子の木暮(近藤芳正)。ひなたは一子(市川実日子)からお茶を預かってきた。不在の竹村平助(村田雄浩)は、和子が涙ぐむるいに手渡すパリッとアイロンのかかった真っ白なハンカチで十分存在感を示す。大阪編の人情が蘇る。会わない時間が長いほうが再会は感動的だ。こうして見れば、ここまで引っぱって正解だったと思うしかない。

朝ドラ『カムカムエヴリバディ』和子に木暮…るいとジョーを支えた人たちとの感動の再会に涙腺崩壊
写真提供/NHK

ジャズは野球

客席では演奏がはじまるのを健一(世良公則)勇(目黒祐樹)が待っている。「ジャズは野球じゃ」と勇は自論を述べる。ベンチにいる選手はバッターボックスに立つ仲間を見守って試合の展開を予測する。たしかにミュージシャンもスポーツ選手もどちらも「プレイヤー」である。ミュージシャン同士がセッションすることを「野球の間じゃ。息じゃ」とはなかなかいい得て妙。

打順を待っている時間はいろんなことが客観的によく見える。どんなに長い待ち時間でもそれを有効に使い、いろいろなことを理解して自分なりにシミュレーションしていたら出番が来たときに必ず役に立つ。それが「鍛錬」。

ジャズと野球と珈琲と洗濯の話で盛り上がる客席。どれもみな職人技がものを言う仕事である。ここに虚無蔵(松重豊)がいればジャズと野球と珈琲と洗濯と時代劇の話で盛り上がれるのに。


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