
皆さんは神社やお寺と聞いて、どのようなイメージを持たれているでしょうか。やはり、よく言えば厳粛な、悪く言えば堅苦しい想像をしてしまうのではありませんか?
ところが、京都府八幡市にはそんなイメージを覆してしまうユニークな神社があるそうです。
神社らしからぬ建物の中には飛行機のエンジン

大阪~京都をつなぐ信頼と安心の京阪電車に乗り、八幡市駅へ。男山の頂上にある石清水八幡宮が有名ですね。

地図によれば、飛行神社は駅から5分ほど歩いたところにあるようです。線路沿いの道を歩いて行くと、遠くに神社らしからぬデザインの建物が見えてきました。

その佇まいは神社というより企業の記念館。定番のあの外観をイメージしていくと、うっかり通り過ぎてしまうかもしれませんね。

入り口のそばに展示されていたのは、なにやら飛行機のエンジンらしきもの。案内板によれば、昭和40年代に航空自衛隊の主力戦闘機として採用されていた「F-104J」のものだそうです。

そのすぐそばには、あの「ゼロ戦」こと零式艦上戦闘機の機首部が! これはかなり貴重な品ですね。

次に目に付いたのが奇妙な形をした拝殿。まるで古代ギリシャの神殿のようです。
“神”飛行機おみくじにチャレンジ
さて、神社といえばやはりおみくじ。せっかくだから引いてみようと思って見てみたところ、これがかなりユニークな形式でした。

なんと、引いたおみくじを紙飛行機の形に折り、奥にある輪っかを通過させることでご利益が得られる「神飛行機おみくじ」なのだそうです。
これは面白そうということで、早速チャレンジ。

引いたおみくじ(中吉)を折り紙のように折っていって不格好ながらも完成。早速とばしてみます。「どこから飛ばしてもいい」とのことでしたが、最初はある程度あいだを空けてチャレンジ。

狙いを定めて……。

とりゃっ!

大外れ。

その後、輪っかの間近で再度チャレンジ。当然ではありますが成功しました。
「日本航空機の父」二宮忠八氏の功績をたどる
飛行神社のもうひとつの見所が「二宮忠八資料館」。二宮忠八氏は「日本飛行機の父」と評される人物であり、ライト兄弟とほぼ同時期に人力飛行機の研究を行っていたことで知られています。

この飛行神社は、世界中で行われてきた数々の航空事業における殉職者、ならびに航空事故の犠牲者を慰めるため、氏によって建てられたもの
資料館では直筆スケッチや「玉虫型飛行器(原文ママ)」の設計図、当時の実験を撮影した写真などを通して、その業績をたどることができます。
その他、マニアックな航空機の模型やパーツなども多数展示されており、飛行機マニアならば見逃せないスポットと言えるでしょう。
もうひとつの珍所、らくがき寺へ
もうひとつ、この飛行神社から歩いてすぐ近くのところにあるユニークなお寺を訪ねてみました。その名も「らくがき寺 単伝庵」。なんとこのお寺では、壁に落書きができてしまうのだとか。

そこまで大きくない素朴なお寺で、国道に面しているとは思えない静けさ。ちなみに開放時刻は11時から15時まで。

落書きができるのは、本殿のすぐそばにある「大黒堂」。

「救苦観音」や「走り大黒天」、そして「関羽将軍」までが奉られているこのお堂の白壁は、参拝者による落書きでいっぱい。「大学に合格しますように」「家族健康に暮らせますように」といった願いごとや、アニメのキャラクターと思われるイラストが壁という壁に描かれています。

落書きを行うにあたっては、どうやらいくつかの決まりがある模様。まず第一に、参拝料として100円をお賽銭に奉納すること。次に、専用のサインペンで白壁の部分にのみ書くこと。
せっかくだから何か書かなきゃ! というわけで、筆者も100円払って落書きに参加。

さらなる活躍を目指してこんな感じで。ちょっと願い事が大人しすぎたかも。
変わり種スポットは意外と身近に存在している?
というわけで、京都府八幡市にある「飛行神社」と「らくがき寺 単伝庵」を紹介しました。ひょっとすると、皆さんのご近所にも一風変わったお寺や神社があるかもしれません。そうした場所を探してみるのも面白いですね。
(かるめら)