『フリースタイルダンジョン』3rd SeasonのRec7-2。

深夜の名バトルすごかった。

審査方法を練り直すほうがいいんじゃないかと思っちゃうほどの熱戦であった。
進化していくチャレンジャーのバトルをもっと観たかったなー。

前回、1stBattleのCHICO CARLITOと漢a.k.a.GAMI、2ndBattleのTKda黒ぶちを打ち破った戦極ライマーズ。
9for
MC KUREI
SAM
の3人である。
「フリースタイルダンジョン」大熱戦、審査方法がそろそろ限界じゃないかな
フリースタイルイラスト/小西りえこ

チャレンジャーがモンスターに挑戦して勝ち抜けば賞金100万円の即興のラップバトル番組。
即興で、韻を踏みながら、言葉とリズムを相手にぶつける8小節3ターンの勝負だ。
3本勝負、2本先取で勝利。
ただし、判定が全員一致するとクリティカルとなり即勝利確定である。

3rdBattleは3on3。
モンスターは、R-指定とT-Pablowとサイプレス上野。
チャレンジャーが、組む相手を指定してくると、R-指定が「まあまあ始まってから、それは。流れやからセックスと一緒で」と語る。


ROUND1。
「ネタくさいライムばっか 9forのマイナス1で【コンプラ】振りかけてやろうかテメェ」
R-指定のコンプラは、おそらく「8×4」(エイトフォー)。汗ケア、花王の商品です。
このR-指定の「臭えんだこの野郎」ディスに、
「まぁ【コンプラ】かけられてもピースサイン足してもらえれば10になるから天に飛びたどうぜ」
と、きっちり足し算して返すパワーすげぇ。
「これ早口じゃなくてフロウって言うんだよ 分かるか? お前らとの違い 魅せてくこれはイージーゲーム 異次元に連れてくお前らのBGM」
と、T-Pablowの速射砲のようなフロウ。
そう、この3on3、韻の対決はもちろん、フロウの変化が波乱万丈、各人のフロウ・バリエーションを見せつける戦いでもあった。
「地下のユートピア」「ミラノ風ドリア」「みんなぶっ飛びな」とガッチリ韻を踏んできた戦極ライマーズに、
サ上さんが「ミラノ風ドリア こいつら激安の【コンプラ】」と返す。
サ上さんのコンプラは、「サイゼリヤ」か?
どちらのチームも、韻の組み立てがコンプレックスにがっちりぐるぐる組み立てられていて、この人たちどれだけ言語中枢フルスロットルなんだ。
ROUND1の判定は、モンスター3、チャレンジャー2でモンスターの勝利。

ROUND2もめちゃくちゃ熱戦。
最後に9forが「この差 くたばれバカ 髪の毛見てても砂かけ婆」なんてディスって、これにはR-指定も苦笑い。
1対4でチャレンジャー勝利。

Lilyさんが「Rさんは「さん」づけて、サ上に南京錠とかサ上さんは「さん」がつかないんだ、って発見がありつつ」と余計なことを言ってw、
さらに「髪の毛、砂かけ婆って、あー本当だちょっと似てると思って」と、最近Lilyさんの審査ディスが強烈だ。

ROUND3、NALLY & MOITO「PelleLife」のトリッキーなビートに乗せる韻とフロウの大決戦と化す。
「お前 ビビってるぜ自分自身に
ビード上が俺の私有地
音に乗るだけ自由に
未だにチューニングは思春期」

T-Pablowが、あいだにぐっとタメを取って、ガッチリ韻を踏むチャレンジにブレなし。
「自身に(いいんい)」「私有地(いううい)」「自由に(いううい)」「思春期(いうんい)」と脚韻を踏み、
フレーズの頭も、「おまえ」「音に」と「ビート」「未だに」と対応している。
ラストのフレーズもめちゃカッコいい。
「思春期」のワードを受けて
「思春期」「自分勝手」「四十八手」と転がして、「すぐさま死んじゃうよ」の「古畑任三郎」で、「ポートガス・D・エース」で〆る。
「ポートガス・D・エース」は、ワン・ピースの登場人物の名だ。
R-指定は、「奇襲作戦」「四十八手」「沈んじゃって」をぎゅっと詰め込み、
「シメろシメろサイプレス上野」とサ上さんに投げると、サ上さんは「T-Pablowかませ」とT-Pablowに即パス。
T-Pablowがシメる。
「誰も踏んだ事ない韻をとか言いながら、EXILEと鉄パイプ 誰も何万回くらい踏んでる韻やんけ」
ってR-指定の相手のフレーズを具体的に抜き出してがっちりディスる作戦、すごい。
このあとのSAMが「蜂の巣状態」のワードを引き取って、
「蜂の巣状態」→「Night Show time」→「神の到来」→(高く飛んでく)→「ライト兄弟」と転がして、
「はるかに上空」→「サムライソウル」と決める。
韻と言葉のイメージの連鎖密度が高い高い。

そして、ROUND3は、モンスター3、チャレンジャー2でモンスターの勝利。
ZEEBRAさん「うーーーーん、いい試合だったなぁ」。

ねぇぇぇ、いまの審査方法だとそれぞれがどっちかに決めなくちゃうので接戦のときの勝敗の納得値が低くなりがち。しょうがないのだろうけど、惜しいよねーもっとチャレンジャーのバトルを観たかった。モンスター、チャレンジャーの選択以外に「延長」を入れて、延長票が最多のときは延長戦とかにしてくれないかなー。(テキスト/米光一成 イラスト/小西りえこ
編集部おすすめ