モー娘を交えたハロプロ・シャッフルユニットやミニモニ。も大ヒットとなり、“最強アイドル”松浦亜弥が衝撃のデビューを果たした2001年頃は、プロデュース活動のピーク期に当たるのではないか。
しかし、毎月4~5枚ペースでシングルをプロデュースするなど、怒涛の勢いで創作活動を続けていた中には「?」だった作品も紛れているわけで……。
今回は、短命終わったユニットに絞って振り返ってみたい。
「ワンギャル」:自ら「その他大勢」と名乗った!? 自虐的ユニット
この時期、TBS系深夜の情報バラエティ番組『ワンダフル』でアシスタントを務めていた女性タレントグループ「ワンダフルガールズ」、通称「ワンギャル」もつんく♂プロデュースでデビューしている。
『ワンダフル』自体は97年から放送されていたが、ワンギャル名義でCDデビューした12名は、2000年秋から1年に渡って番組を彩った第4期メンバーに当たる。

90年代は良くも悪くも話題を振りまいていた番組だったが、この頃はマンネリで低迷気味。テコ入れ的な意味もあって、この話が進んだと思われるが、結局シングル2枚で終わってしまった。
第1期メンバーは、釈由美子や二代目林家三平の妻である国分佐智子ら、現在も芸能界の第一線で活躍するタレントが思い当たるが、この時点のメンバーは相当なマニアでも中々思い出せないはずだ。
その小粒感、申し訳ないが『ヒロイン!~その他大勢なんかじゃない~』という自虐的なデビュー曲が示す通りである。
「クッチコミ」:モー娘。の光にかき消されてしまった!?
01年春、日本テレビ系の音楽バラエティ番組『AX MUSIC FACTORYつんくちゃん。』から生まれた5人組ユニット「クッチコミ」もつんく♂プロデュースだ。

「お色気プッチモニ・オーディション」と言う企画から生まれただけあって、本家プッチモニより年上の平均年齢20歳の5人編成。さわやかな色気とキュートな魅力が売りとなっていた。
『ASAYAN』におけるモー娘的な売り出し手法だったのか、歌やダンスの特訓合宿を行ったり、インディーズからデビューさせるなどのドキュメントを番組が毎週追いかけていたが、番組の企画変更に伴い、半年余りで活動終了となってしまった。
その新たな企画とは、モー娘を生んだ伝説のオーディションを出演者だけ入れ替えて、そっくりそのままドラマで再現する「モーニング狼。」と言うもの。確か、この企画自体も中途半端に終わってしまったはずだ。
「デカモニ。」:ミニモニ。ありきの一発ネタだった!?
01年夏、こちらも同じく『つんくちゃん。』から生まれたユニット「デカモニ。」。と言っても、実際はオリンピック代表バレーボール選手だった大林素子単独の1曲限りのソロプロジェクトだ。
なぜなら、身長175cm以上の女性を対象とした「デカモニ。オーディション」で合格したのが大林だけだったためである。

シングルタイトルは『大きな私の小さな恋』で、カップリングには『デカモニ。
しかし、失礼ながら限定5,000枚のこのシングル、どこに需要があったのだろうか?
かつて、「いくら自分の音楽性やスタイルがあったとしても、売る側の都合によってそんなものは変えさせられてしまうんだから、自分は音楽においてポリシーや信念などは持たないようにしている」という趣旨の発言を残しているつんく♂。
今回紹介した3組は、番組ありきのユニットばかり。「売る側の都合」に翻弄されたゆえの短命だったのだろうか……?
※文中の画像はamazonより口コミLOVE
※文中の画像はamazonよりヒロイン!ーその他大勢なんかじゃない
※文中の画像はamazonより大きな私の小さな恋