90年代、天才子役として名を馳せたえなりかずき。
一時期、「嫌韓発言から干された」的なウワサがネットを賑わしたことがあったが、舞台やテレビなど、芸能界の第一線で現在も活躍中である。


そのえなりくん、実は歌手デビューしていたことをご記憶だろうか? しかも、つんく♂プロデュース! それどころか、デビュー年である01年に紅白出場!
気になるタイトルは『おいらに惚れちゃ怪我するぜ!』。えなりかずき、当時17歳。我が世の春を謳歌していたのである。

デビュー曲の目標はオリコン1位! 気になる結果は…?


TBS系ドラマ『渡る世間は鬼ばかり』の子役時代から、確かな演技力はもちろん、その大人びたルックス&言動で人気者だったえなりくん。

バラエティにも積極的に進出しており、NHK『コメディーお江戸でござる』のメインキャラとしても活躍。その関係で99年、00年と2年連続で紅白にゲスト出演していた実績があった。しかも、『おいらに惚れちゃ怪我するぜ!』はNHK『みんなのうた』にも起用される高待遇ぶり。NHKと密接な関係にあったのは間違いない。

歌手デビュー直後のミニライブでは「夢は大きく、目標はオリコン1位。紅白も狙いたい」と意気込みを語ったが、デビュー曲はオリコン最高93位止まり。正直、歌手としての人気はイマイチだ。

しかし、超売れっ子プロデューサーつんく♂の後ろ盾も大きなプッシュ材料となったのだろう。NHKとの太いパイプ&つんく♂プロデュースの合わせ技で、紅白出場の夢がいきなり叶ってしまったのだ。


しかも、同じくつんく♂プロデュースで、共に紅白初出場となる松浦亜弥との対戦が決定。白組のトップバッターと言う大役を任されたのである。

21世紀最初の紅白、白組トップバッターで堂々たるパフォーマンス!


21世紀、最初の紅白。先陣を切ったあややの堂々たるパフォーマンスは今でも語り草だが、それを受けてのえなりくんのステージも圧巻だった。

歌唱前の口上からして、えなりワールド全開。
「わたくしをこの1年間応援してくださった皆々様の無病息災を心より祈願申し上げながら、元気いっぱいに歌わせて頂きたいと思います」
シブイねぇ……まったく おたく シブイぜ!
シルクハットに蝶ネクタイ、タキシードをビシッと決め、キーボードで弾き語り。もはや、大御所の風格だ。

そもそもこの曲、歌詞が凄まじい。
「おいらは街の遊び人 流し目決めりゃモテまくる」
「キャーキャー騒ぐなギャル軍団 おいらはみんなのものだから」

しかも、合間に「えなりかずきでぃ!」のセリフ入り。

……つんく♂ワールドも全開である。
この『おいらに惚れちゃ怪我するぜ!』がリリースされた前日、同じくつんく♂プロデュースによる「デカモニ。(大林素子)」(記事はこちら)のシングルがリリースされている。
この頃のつんく♂に何があったのだろうか……?

ステージは、ラッキィ池田の振り付けによるダンサーも登場してお祭り騒ぎ。えなりくんもハイテンションでフィーバーしまくりと言う、歴史に残るパフォーマンスだった。
ちなみに、翌年『温泉に行きたい』というシングルをリリースしたが、紅白出場はこの年限り。まあ、当然ではある。

紅白では、固いあいさつが延々続くえなりくんに対し、Re:Japanとして出場していたダウンタウン松本から「がんばれ和製マコーレ・カルキン」のツッコミが飛んだのも印象深い。

過激すぎる変貌ぶりが定期的にメディアを賑わしているカルキンくんに対し、あまりにも見た目が変わらなすぎてビビるえなりくん。しかし、発言は意外と過激のようである。

※文中の画像はamazonよりえなりかずきのしっかりしろ! (Enari Kazuki message book (001))
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